I LOVE MY LIFE −猫とROCKと愛の日々−

2022年11月から1年に渡って還暦ブログをほぼ毎日更新、2023年11月からは海外ドラマ「Kommissar REX」そして、REXドラマの🇨🇦版/🇮🇹版のレビュー記事。それ以前は海外ドラマ「Kommissar Rex」全編のレビュー記事です。

Are you gonna go my way マカマカ編①

マカマカ初期デザインの動物たち

 

2006年1月。

絵本白いおばけのスー出版後、私はもう一つの絵本企画に着手した。

サンスター文具株式会社のオリジナルキャラクター「マカマカ」の絵本制作だ。

前年12月、大阪・梅田のビジネスホテルで閃いたストーリーの構想案を手に、私は同社のロビーに居た。

 

しばらくすると、営業課長Y氏と作者の神尾由利子氏が現れた。

この日、私は神尾氏と初めての対面だった。

快活でよく喋る営業課長Y氏とは対照的に、物静かで礼儀正しい普通のOLさんのような若い女性。なんというか、デザイナーやイラストレーターのイメージとは違って、ごくごく普通のお嬢さん、という感じ。

 

私は早速、資料を広げて構想案の説明をした。

 

きっかけは、NHKスペシャルのドキュメンタリー「絶滅から救えるか アムールヒョウ

世界中に存在する絶滅危惧種の動物が、主人公マカマカと友達になるというお話。

そして何よりも、主人公・マカマカこそ、絶滅危惧種の動物なのである。

作者・神尾氏が設定した、ぞうの子どもマカマカは、ハワイで生まれたアフリカゾウだ。

そして、マカマカとは、ハワイ語で友達の意味。

マカマカが故郷アフリカへの旅を通して出会う動物たちが、絶滅危惧種の動物であり、絶滅に至った経緯を盛り込む。

 

絶滅の危機にさらされている理由は120%人間の仕業である。

その事実を子どもたちに伝えたい。

 

そう。

サンスター文具からの意向、大人の女性向けではなく、未来の大人へのメッセージとして制作したい。

 

私がここに至った理由も、二人に説明した。

 

20代の頃から野生動物に興味を抱き、絶滅危惧種の動物の存在を知り、アフリカ・ケニアへ。

サバンナで生きる多くの野生動物たちとの出会いを通して、生きる原点を知った。

私の原点はここにある、と。

 

neocats.hatenablog.com

 

あの時の思いが、アムールヒョウとマカマカを結びつけた。

 

さらには、神尾氏が描く動物たち。

草食動物も肉食動物も、魚も爬虫類も、みな一緒に仲良く存在している。

これこそエデンの園に暮らしていた動物たちの姿である。

神尾氏が描いたイラストには、深くて強いメッセージが込められている。

 

マカマカ初期デザインの4コマ漫画1

マカマカ初期デザインの4コマ漫画2

私は延々と話し続けた。

神尾氏は、静かに聞いていた。

 

Y課長は言った。

「しかし、それだと最初から全部描かなければいけなくなるでしょ。ちょっと難しいんじゃないのかな。今ある素材で、なんとかならない?」

 

「う〜ん、現存する素材も使いつつ、やっぱり新たに描きおこしてもらいたいです」

 

「私、やります!」

神尾氏は、Y課長が何かを言おうとしているのを遮るように言った。

 

「いやでもさ、勤務中は別の仕事があるでしょ、残業になっちゃうし無理なんじゃないの?」

 

「大丈夫です。土日に描けばいいし、できます!」

神尾氏の強い意志を感じたY課長は、それ以上何も言わなかった。

 

無理難題を言ってるのは重々承知だ。

しかし、私は神尾氏が描いたこの動物たちに、命を吹き込みたいと思ったのだ。

あの、ケニアで出会ったサバンナの野生動物たちの命を。

 

 

こうして、神尾氏と私、二人三脚の絵本制作が始まったのである。

 

To be continued…..