長かった2005年・42歳の記録。
大型自動二輪免許取得のための教習所通い、書籍「わが家の防災」シリーズ2冊、そして「白いおばけのスー」の出版。
年末は慌ただしく暮れていき、何をしていたのか記憶にない😆
そう、船橋での生活は記憶が曖昧。
それもそのはず、帰宅するのはいつも夜中。
平日は、大阪、岡崎のどちらかに出張に行ってた時期。
家でのんびりした記憶もなく、お嬢DONとみつ子は、それなりに元気だったから、病院のお世話にもならなかった。
そんな船橋での生活も、2006年に別れを告げる。
私は「白いおばけのスー」と同時進行で抱えていた、もう1冊の絵本制作に取り掛かった。
この絵本は編集者が企画制作する本とは違い、ある企業から持ち込まれた企画だった。
20代後半に玩具関連の業界紙記者として働いていた時期、私はキャラクター関連の担当で、文具メーカー大手・サンスター文具株式会社にもよく取材に行った。
その営業課長・Y氏から、絵本企画の相談を受けたのだ。
その頃、人気キャラクターの絵本制作が盛んで、大人の女性向けの絵本が主流だった。
同社はディズニーなどのキャラクター商品を制作していたが、オリジナルキャラクターは持っていなかった。
そこで、オリジナルキャラクター制作するべく、社内コンペティションを行ない、誕生したのが、ぞうのキャラクター「マカマカ」だった。
サンスター文具といえば、「象が踏んでも壊れない」という筆箱で一世を風靡したメーカー。
ぞうが筆箱に乗るTVCMを覚えている人もいるだろう(私と同世代だったらね😆)だから、ぞうをモチーフにしたキャラクターには、大いに納得した。
同社では「マカマカ」キャラクターを全面的に売り出すための絵本制作を決定、そして私が執筆することになったのである。
依頼内容は、
ぞうのマカマカと他の動物たちを登場させること。
またキャラクターを制作した社員は、他にも仕事を抱えているので、新規にイラストを描かせないこと。
リラックマ(サンエックス株式会社)のような女性向けのストーリー展開にすること。
カラー印刷すること。
などなど、いくつかの制約がある中での執筆だった。
私は、制作依頼にOKをしたものの、ストーリーが思い浮かばない日々を過ごしていたのだ。
マカマカと仲間たちを使って、大人の女性向けのストーリー。
どうも、結びつかない。
しかし、サンスター文具の意向を無視するわけにもいかず、どうしたものか。
悶々とした数ヶ月…。
そして、2005年12月3日。
大阪・梅田のホテルで見たドキュメンタリー映像。
ロシアに30頭だけ生息する野生のアムールヒョウとの出会いが私の頭の中の「マカマカ」に命を吹き込んだのである。
明けて、2006年正月。
一気にストーリーを書き上げた私は「マカマカ」の生みの親・サンスター文具社員・神尾由利子氏に会いに行く…。
すべては、彼女が「YES」と言ってくれなければ始まらない。
サンスター文具の意向を、真っ向から否定したストーリーだったからである…。
Give me fuel (完)