今回から、私が編集者として初出版した、思い出深い書籍「見返りにっぽん」のメイキングを記録しようと思う。
これまで多くの書籍や雑誌制作に関わってきたが、初めて企画立案から、制作、営業まで一貫して行ったのは初めてのこと。それだけに忘れがたい書籍である。
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2001年、南青山のワンルームマンションで出版部が始動して3ヶ月。
夏の暑さが日毎に増してきた頃、エアコンが壊れた😭😭😭
この年の夏は、異常気象、猛暑の夏だったのだ。そして暑さでエアコンが壊れた。
私たち出版部員は、異常な暑さに耐えられず、近所のカフェで打ち合わせをするようになった。
この暑さがきっかけの一つになった書籍企画。
出版部員3人でまとめた初企画が、「見返りにっぽん」という本。
そして、この本のメインになったのが、冒頭の写真の人物・木村信也氏だ。
私がHONDA FUSION に乗り始めた頃、私は時折オートバイのカスタムショップに行くようになった。そこで知り合ったハーレーに乗っていたR君に見せられたのが、この写真集「ZERO CHOPPER SPIRIT」だ。
当時、ハーレーダビッドソンのカスタムビルダーのカリスマ的存在、それが木村信也氏であり、その作品の写真集だった。
私は一目でこの写真集に惚れ込んだ。
本がぼろぼろになるほど、読み込んだので、こんな状態になっている。
ここに登場する、木村氏が手掛けるハーレーダビッドソンのカスタムは、日本の風景と融合し、素晴らしくカッコいい!
そうだ! 忘れてしまいそうな日本のカッコ良さを本で紹介したらどうか?
木村氏のハーレーから着想を得て、あらゆる日本のカッコいいものを探そう、そして企画がまとまっていった。
まずは、木村信也氏に接触だ。
私は、愛知県岡崎市のファクトリー「ZERO Engineering 」の木村氏にアポを取り、スケジュールを押さえた。
10月に横浜で開催されるホットロッドカスタムショーに出展するというので、木村氏と会場で会う約束をした。
私は事前に、雑誌やインターネットで木村氏の情報を収集していたが、本人と初めて会った時、そのイメージのギャップに驚いた。
ハーレーダビッドソンを操る男と言えば、マッチョなイメージしかなかったが、木村氏は物静かに優しい声で話す、まるで芸術家のようだと思った。
この日、木村氏は書籍企画に快諾してくれて、ハーレーの撮影にも協力してくれると言ってくれた。
こうして、私たち3人の初企画が始動したのである。
To be continued…