猫とお散歩。
今回は、みつ子のエピソード。
みつ子は大宮から一緒に住んでいるが、Crime of love大宮編では、若干存在感が薄かった。というのもBOSS失踪事件と重なり、みつあか誕生の影になって、スポットライトを浴びてない。ようやくFaraway,so close 吉祥寺編で存在感をアピールするも、前歯(牙)を折るという、不本意なエピソード🤣🤣🤣
みつ子は、常に微妙な立ち位置の猫だったのだ。
そんなみつ子の得意技として記憶しているのが、華麗に走る姿。
中野坂上に住んでいた頃のこと。
このマンションには、ベランダがなかった。洗濯はドラム式洗濯機を使うように設計されていたのだ。しかし、当時はまだ高価だったし、買う予定もなかった。そこで、利用したのがコインランドリーだ。幸い、商店街にはコインランドリーが何軒もあった。季節は夏だったし、洗濯物がいっぱいだ。
私は洗濯した衣類を大きな袋に入れて、歩いて数メートルのコインランドリーで、乾燥機だけを利用するようになったのである。
私がコインランドリーに行く時、いつからか、みつ子がちょこちょことついてくるようになった。商店街は車も走らないし、せいぜい自転車か原チャリ。
だからそれほど危険でもないので、そのまま歩かせた。
そして、一緒にコインランドリーに入ると、みつ子はおもむろに店内を探検。
私が洗濯物を乾燥機に入れ終わる頃には、ひと通り探検終了。
そして一緒に商店街を歩き、マンションの中庭からみつ子は裏手にある公園へと遊びに行った。
そのうち、私がコインランドリーに行くことを覚えたみつ子は、ドアを開けると真っ先に自分から外に出て走って行くようになった。商店街に入ると、飛ぶように走って行く。
そしてピタリと立ち止まり、振り向くのだ。
「にゃーーーん (ママ〜、早く〜!)」
私がみつ子に追いついたところで、またパッと走り出して、先にコインランドリーに入ってしまう。そこで私を待ち、私が店に入ると、
「よし!」
とでも言うように、探検が始まる。
そして、みつ子は私が乾燥機のドアを閉めるのを待ち、一緒に店を出る。
で、マンションの中庭から裏の公園へと消えて行くのだ。
コインランドリーのルーチンワークは、みつ子だけの特権だった。
まるで私を独り占めできることが嬉しくて、走る姿はスキップしているようだった。
吉祥寺に引っ越してからも、みつ子だけのルーチンワークが続いた。
私が出勤時に外出から帰ってこないみつ子とみつあか親子は、そのままにしてよく出勤した。
そして夕方、私が自転車で帰ってくる音を、みつ子は2ブロック先くらいから聞きつけ、私に向かって全速力で走ってくるのである!
「にゃーーーーーん!」
と叫びながら走ってくる姿は、サバンナで華麗に走るチーターのようだった!
手足、尻尾が長く、小顔のみつ子は、日本猫の丸い体型とはかけ離れていて、スタイルが洋風😆だったよね。
家猫と言えども、サバンナのライオンやチータ、ヒョウたちと同じ仲間のネコ科だ。
走る姿は、美しい。
特にみつ子は、全身で喜びを表現していたから、踊るように走った。
私は、中野坂上でも吉祥寺でも、自由に広い場所を走り回れるところで、猫たちと暮らしたかった。
しかし、みつあかの交通事故、みつ子のケガ。
その悲しい経験から、少しずつ考えを改めるようになったのである…。