R.I.P. Mitsuaka
June 3rd 1995 - April 16th 1999
みつあか。
ごめんね。
もっと早く病院に連れて行けば…。
そのうち帰ってくるなんて言ってないで、探せばよかった。
見つけてあげられなくて、ごめんね。
せっかく生まれてきたのに。
こんなに早く逝ってしまうなんて…。
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おおむら動物病院のスタッフの方は、みつあかを白い布で丁寧に包んで、大事に抱えて、白い箱に入れてくれた。
先生は言った。
「おそらく、頭を強く打ったために、脳障害がおき、おしっこが漏れていたのは、そのせいだと思います。車に撥ねられたか、まず、そうとしか考えられませんが、どこかで身体が回復するまで隠れていたのではないかと思います。
それでも、この状態でよく家まで帰って来ましたね。
よっぽど家に帰りたかったんですね。会いたかったんですね。
でも、4歳の割に身体が小さい。どこか機能障害があったと思われます。もしかしたら標準的に長生きできなかったかもしれません」
先生は、最後まで諦めずに処置してくれた。その姿を心に焼き付け、私はおおむら先生に深く感謝した。
さぁ、みつあか、おうちに帰ろう。
みっちゃんが待ってるよ。
私はみつあかを自転車の後ろに乗せて、家に帰った。
箱の中に、クッションを敷いてその上に寝かせて、みつあかの顔を見た。
苦しんだようには見えない。
眠っているようだ。
みつ子がみつあかのそばに来た。
みつあかの顔を見て、匂いを嗅いだ途端、みつ子は、
シャーっ!
フゥー!
シャーっ!
と激しく威嚇して部屋の隅に走った。
そして、ジッとみつあかを見ているのだ。瞳孔が開いた黒い瞳の奥に、怒りと悲しみが混在した困惑の色が見えた。
「みっちゃん、ごめんね。怒ってるんだね。ごめんね」
私はみつ子の気持ちを思うと胸が張り裂けそうになり、激しく泣いた。
もう、お願いです。
これ以上、耐えられそうにありません。
BOSS、J、そして、みつあか。
1年も経たないうちに3度も。
もう耐えらない。
神さま、もうお願いだから、誰も連れていかないで…。
私と同じ誕生日に生まれたみつあか。
それだけに、私はみつあかが可愛かった。
みつあかは、誰に対しても人間を人間と認識していないような態度、でも私だけは視界に入っていて、母親に甘えるように膝の上にも乗っかって。
そして、
みつ子とみつあか。
いつも一緒にいた。
寝姿までそっくりで。
尻尾の先の白いぼんぼりもそっくりで。
まるで双子のような母娘。
いつか、また会える日まで。
待っててね。
みつあかが、時々見ていた別の世界。
今、みつあかはそこにいる…。
To be continued….