I LOVE MY LIFE −猫とROCKと愛の日々−

2022年11月から1年に渡って還暦ブログをほぼ毎日更新、2023年11月からは海外ドラマ「Kommissar REX」そして、REXドラマの🇨🇦版/🇮🇹版のレビュー記事。それ以前は海外ドラマ「Kommissar Rex」全編のレビュー記事です。

Walking on thin ice 吉祥寺編11

出版の仕事に戻った頃、初代iMacを購入。髪はLennyのドラマー・Cindy Blackmanに影響された。LANAのドヤ顔も笑える😆

 

明けて1999年、冬。


私はカオスの中で生活することに嫌気がさしていた。
そろそろ、まともな生活をしたいと思っていた。
私ができる仕事といえば、出版関連の仕事しかない。
何でもいいから文章を扱う仕事に戻りたかった。
求人情報誌で何社も面接に行った。
そして、ようやく採用されたのは、飯田橋の編集プロダクション。雑誌のスポット記事や記事広告制作の会社だ。
雑用に近い仕事だったが、出版の現場に戻れたことで、少しずつ正気に戻れる感じが嬉しかった。
朝の通勤電車で通うのは苦痛ではあったが、いつの間にか慣れた。

 

BOSSも、Jのことも、いっときも忘れたことはなかったが、仕事の忙しさに紛れ、さらに不甲斐ない自分の仕事ぶりに落胆しながら一日が過ぎていくのである。

しかし…、編プロの給料はまったく安くて、バカにされているような給料だ。
4匹の猫と吉祥寺で生活するには厳しかった。
それで、夜の仕事も週2でシフトを入れた。


カウンターバーのバイトで、最初に仲良くなった帰国子女のNちゃんは、私がバーを辞めてからも仲良くしてくれていて、たまに一緒に飲みに行った。

 

4月のある日、Nちゃんの車で河口湖までドライブしたことがあった。
Nちゃんの彼氏とちょっとしたトラブルがあって、打ち明け話を聞きながら。
春といえども、河口湖はまだ寒い。ちょこちょこ停まって、お茶を飲んだりしてのんびりした。

 

帰り、渋滞にハマって帰宅が遅くなり、猫たちが心配だった。

 

大丈夫かな。ホットカーペット付いてないから寒がってるかな。

 

吉祥寺の家は縁側が広くて屋根もあったので、外出時に猫たちが居なくても、普段からそれほど気にしていなかった。

戸締りをして出かけてしまうこともよくあったのだ。

お嬢DONとLANAは家にいるが、みつ子&みつあか親子は外で過ごすことが多々あり、私が帰るまで、縁側でゴロゴロしていたのだと思う。
みつ子は私の自転車の音を聞くと、家までだいぶ距離があるところまで、鳴きながら走って私を迎えにくるほどだった。


ところがこの日、家に着くと縁側にはみつ子しか居ない。みつあかの姿がない。
Nちゃんも心配して一緒に近所を探したが、居ない。
夜11時を回っていた。

 

そのうち帰ってくる…

 

そう自分に言い聞かせて、みつあかを一晩中待ったが、帰ってこなかった。

 

 

翌日。
仕事が休みだったので、その日も探して歩いた。
隣は、成蹊大のグラウンド
みつあかは、その高い塀にジャンプして大学内に入っていく姿をよく見かけた。
もしかして、猫が好きな学生が連れていったのだろうか、そんな思いもよぎった。


夜。
いつも少し隙間を開けている、縁側の窓から、ゆっくりとみつあが姿を現した。

 

みつあか!

 

私はみつあかを抱っこして、すぐさま異変に気づいた。
お尻のあたりが濡れていて、血が出ているのかと思ったら、そうではない。
おしっこだ。後ろ脚の方も濡れている。

 

みつあか! これ、どうしたの? みつあか!

 

私は、お湯で湿らせたタオルでお尻を拭きながら、困惑していた。
ぐったりしているみつあかの全身を調べると、どこかに傷があるわけではなく、血が出ているところもない。


私は、ベッドにみつあかを寝かせると、ふらふらとした脚で私の枕の上にバタンと横たわった。

 

尋常ではないことはわかったが、
すでに時刻は深夜12時になろうとしていた…

 


To be continued….