みつ子とみつあか。
この親子は、お嬢DONにとって最大のストレスだった。
親子揃って猫ルールを無視。特にみつあかの暴挙については、以前の記事を読んでもらいたい。1歳にもならない子猫が、お嬢DONに向かって攻撃するという、前代未聞の暴挙に出たのだ。それ以来お嬢DONは、みつあかを猫ではなく別の生き物として認識し、何かやらかせば、親の責任ということで、みつ子に当り散らしていた😭😭😭災難なのはみつ子だよねー。
しかし、この親子の絆は強かった。
みつあかは、一人っ子である。
兄弟2匹が死産で生まれたので、みつ子にとってはたったひとりの子。
可愛くて仕方なかったに違いない。そのため甘やかした。
これが一番の原因だろうなー。
さて、みつあかが8ヶ月くらいの時だったか。
大宮で行方不明になったことがあった。
Hと一緒に近隣を探し回った。
その当時はまだみつあかは、仮の名前で誰かにもらってもらうつもりでいた。
私は、みつあかの名前を大声で呼びながら探した。
Hが言う。
「大体、みつあかって名前自体が仮なんだからさ、本人わかってないんじゃないのか。それに…」
「それに、何よ!」
「みつあかなんて変な名前、俺、恥ずかしくて呼べないよ」
確かに…。みつあかをダクタリ大宮病院に連れて行った時にも、T先生に笑われたっけ。変な名前って。
しかし今はそう言う問題ではなく、みつあかと呼ばれてたんだから、みつあかと呼んで探すしかないのだ。
みつあかは、一晩帰ってこなかった。
そして、翌日の夜、11時頃。
外の駐車場の辺りから、幽かに猫の声が聞こえた!
みつあか!
私は血相を変えてドアを開けて駐車場の方へ行った。
暗い中を小さい猫が歩いてくるのが見えた!
みつあかだ!
「みつあか〜!」
と大きな声で叫ぶと、
「にゃ〜ん!」
と言って、駆け寄ってきたのである!
私は、泣きそうになりながら、みつあかを抱っこして家に入った。
すると、リビングからみつ子が走ってきたのだ!
みつあかのそばに駆け寄り、ペロペロおでこを舐めている。
みつあかもゴロゴロ言いながら、スリスリしてみつ子に甘えている。
まるで、ヒシと抱き合うように、2匹は寄り添い、いつまでも舐め合っていた。
私は、みつ子とみつあかの親子の絆を見て、心が熱くなった。
人間の親子より、よっぽど愛情深い。
親との関係に問題がある私としては、LANAやみつ子の母親の愛情に、ひどく感激したものだ。
みつあか失踪事件を機に、みつあかは自分の名前が『みつあか』であることを認識していることが判明、みつあか〜と呼ぶと、返事をするまでになっていた。
私とHは、みつあかを里子に出すことを諦め、正式にみつあかという名前で、うちの子の一員にしたのである…。