ZERO Engineering 撮影開始。
2001年に新設した出版部の立ち上げメンバー3人で企画した最初の本『見返りにっぽん』は、2002年8月に出版した。ほぼ1年かけて制作したのだ。
本来、そんな時間をかけたら赤字間違いなし。
しかも3人全員がそれに関わっているなんて、利益度外視と言ってもいい。
今、考えれば、本当に恵まれた機会だったと言える。
私たち3人は、編集者の素人から始めたため、編集者としての知識を得ながら、書籍制作をしたのである。
例えば、印刷会社の予算の出し方、用紙の選び方など、実際に印刷会社に見学に行き、ゴマンとある用紙のサンプルを触って比較したり。また、経費の計算の仕方や取次の仕組みなど。
外部の講演会に出かけたり、いろいろなところに顔を出しては見聞を広めたのだ。
ゼロから始めた私たちは、この最初の一冊を実際に学びながら作ったのである。
どこまでできるか。
失敗も想定内の挑戦だった。
広重とハーレーダビッドソン、
裏原宿と花鳥風月、
苔玉、妖怪根付…。
融合、進化。
新しいにっぽんが見えてくる。
ごく身近な風景の中から、
カッコよくてステキな、
「いま」の「にっぽん」のイメージをさぐる。
これが、本のキャッチコピー。
こんな本ができるのかどうか。
私たちの挑戦が始まった。
今回、紹介する私が所有する写真は、本番では使用しなかったボツになったものもいくつかある。撮影時の様子など、懐かしい写真もある。
いつかメイキングを作るつもりで撮影したのかなぁ😃😃😃
スタッフが懸命に仕事をしている風景、真剣な表情、一段落した飲み会の風景など。
それらを見ていると、いかに私がこの本に愛情を注いだかがわかる。読んでくれている人たちに、そんな愛が伝われば嬉しく思う。
2002年2月。
前回も紹介したメインの人物、木村信也氏のハーレーから撮影が始まった。
ZERO Engineeringは、岡崎市にあった。現地に行ってからロケハンし、翌日から撮影というスケジュールを立てた。
木村氏は撮影に慣れているし、撮影場所もある程度イメージができているというので、任せることにした。
カメラマンは、あえてオートバイ専門ではない人を選んで、撮影慣れしているZEROのハーレーを、一般読者にアピールする方向で固まった。
撮影スタッフは、私、Fちゃん、そしてカメラマンの野口賢一郎氏の3人。
岡崎までは野口氏の車で行った。
岡崎に無事到着した私たちは、どんな素晴らしい風景が撮影できるかというワクワク感で興奮していたが、そう簡単にはいかないのが世の常だね…。
To be continued…