ZERO ENGINEERING BOOK
「見返りにっぽん」は、初版3000部、書店でも平置きをしてくれるところは珍しく、残念ながら利益があがるほど売れたわけではなかった。しかし、インタビューをした人たちから、ポツポツと不思議な話が入ってきたのだ。「見返りにっぽん」に掲載されてから、雑誌取材の問い合わせが来るようになったというのだ。
つまり「見返りにっぽん」という本は、一般読者よりも同業者に評判が良かった本なのだ。雑誌記事のネタ探しの本として広まった、玄人ウケする本だったのである。
「見返りにっぽん」に登場したことがきっかけで、大きく躍進したアーティストもいた。
ZEROエンジニアリングの木村信也氏は、私たちが取材した時には、すでにカリスマとして有名人だったが、さらに雑誌取材が増えていったという。
このMOOK本もその一つである。
ここでは、野口賢一郎氏の写真を大きく見開きで使用、原稿は私が執筆した。今、自分の文章を読んでみると、いかに熱くZEROの取材に没頭したかが手に取るように解る。
私のプロフィール写真は、オートバイのMOOKに相応しいようにと、HONDA FUSIONではなく、友人のCBに跨った写真を載せてもらった😅
結局は、一般読者にはウケなかったが、この本をきっかけに他の媒体に露出する機会を与えることになり、最終的に私たちの目論見が成功したと言えるのではないか。
20年が経過した今、そのように思う。
ちなみに、木村信也氏はその後アメリカへと移住し、CHABOTT Engineering を立ち上げ、カスタムビルダーのレジェンドとして活躍している。
昨年は10年ぶりに帰国、日本のファンを沸かせた。
10年ぶりの再会。
取材から20年の月日を経ても、なお素晴らしい作品を創造する木村氏を私は尊敬する。
しかし…
お互い年取ったね〜😅