マカマカ動く絵本プロジェクト始動!
2013年6月。
私は50歳、ちょうど10年前の記憶。
私の人生で最もエキサイティングな仕事、そして私の会社の最後の仕事。
動く絵本プロジェクト!
これは元サンリオの敏腕才女・K氏が立ち上げた、株式会社GLOBEがYoutubeと契約、公式チャンネルを設立したことから始まった。
コンテンツの一つとして「マカマカの地球歩き」の動画をチャンネル内で、配信してもらうことになったのだ。
この話を聞いた瞬間、私の頭の中で、マカマカが動いている映像がリアルに浮かんだ。
ああ、やっとマカマカの仕事を再開できる、じっと我慢してきた甲斐があった。
心の底から喜びが湧き上がってきたのである。
さて、どんな動画にするか。
アニメーションにするには、それなりの資金が必要だろう。
しかし、私の会社にはそんな余裕は到底ない。どうしたものか。
K氏は言った。
「絵本データを元に要所要所動かして、紙芝居みたいにすればいいのよ。それだったら経費もかからないし、マカマカの良さを十分活かせる。それと全世界に配信することになるのだから、英語でナレーションを入れて、英会話の勉強ができるようにするとか。YouTubeで英語を学ぶことを保護者にアピール、親子で見る動画、そんなアプローチで作ってみたらどうかな?」
マカマカを世界に発信する…。これはYoutubeだからこそ、可能になる。
Youtubeには翻訳機能がついている、英語字幕を付けると世界各国の言語に翻訳してくれる。これは、凄いシステムだ。
しかし、そこで求められるのは正しい英語にすること。
いったい誰が絵本の文章を正しい英語にして、ナレーションをしてくれるのか?
これが、いちばんのネックだった。
私はスーパーのバイトで知り合った米海軍基地のネイティブの友人に相談した。
すると、アメリカ人と日本人のハーフの女性に話をしてくれたのである。
それが、Angie氏。
彼女は二つ返事でOKをしてくれた。
こうして必要なスタッフが集結!
人間の繋がりは不思議だ。
初めて制作する動画だというのに、専門スタッフがあっという間に集まったのだ。
動画制作は、マカマカ水族館へ行くのデザイナー・M氏。
英翻訳とナレーターは、米海軍基地のAngie氏。
スタジオ録音の技術者は、このブログの前身・Yahooブログで知り合ったT氏。
脚本は、私が担当。
マカマカが台風の目になって、引き寄せられるように集まったスタッフたち。
動画は「マカマカロシアへ行く」を、3つに分割、3本構成、1本15分。
まず日本語で脚本を書いたものを、英訳担当のAngie氏にデータを送る。
彼女は、日本語/英語、両方できるので話が早い。
さらにその英文を読んでみて、時間を測る。
時間配分は、正確さが要求されるのだ。
絵コンテを描き、セリフを入れ、時間を測り、脚本を作っていく。
デザイナーのM氏に、データを送信して脚本通りの動画を作成してもらう。
私はそれを見ながら英文を読み、文章や絵の配分の微調整を指示していく。
何度も何度もやり取りをするのである。
2013年8月。
動画ベースが、完成に近づいてきた。
あとはYouTubeスタジオで、巨勢さんの音楽とナレーションを録音する。
この最大の難関を突破すれば、もう完成が見えてくる!
YouTubeスタジオのこんな映像を見て、心が踊ったね😍
ここでレコーディングできるんだ!って。
しかし…。
YouTubeスタジオでのレコーディングまで、あと10日という時。
1通のメールが届いた。
ナレーション担当のAngie氏からである。
彼女は女子ラグビーチームの選手でもあり、中心メンバーの一人でもあった。レコーディングの日に、ラグビーの強化合宿が急遽、決まったというのだ!
え? ナレーター不在で、どうやってレコーディングするのよ!
あと10日で、代わりの人を見つけることができるのか?
しかも、リハーサルもしなくちゃいけないし、10日でどうやって…。
私は途方に暮れた…。
To be continued….