最後の書籍制作の仕事。
2013年3月。
スーパーのアルバイトだけでは生活が成り立たなくなったので、私は出版関連の派遣会社に登録をした。アルバイトは土日のみ、平日は派遣社員として働こうと思ったからである。
しかし、なかなか条件の良い会社が見つからない。出版業界はほとんどが東京、当時の派遣会社は交通費は自腹だ。どんなに時給がよくても、交通費分を差し引くと大した金額にはならない。
横浜近辺の会社があれば…と思ったが、うまくいかないものだ。
そして、妥協に妥協を重ねて決めたのが赤坂のデザイン事務所。
派遣されていた人の家族に不幸があり、急遽欠員をうめるため、私に話が来たのである。
しかし担当者が言うには、一番のネックは社長。
かなり変わった人で、この人に耐えられるかどうかが問題、と言われた。
当初から2週間の契約だったので、大丈夫だろうと思ったら…。
これが、とんでもない人だった!
この人物のことをあれこれ書きたくもないので割愛するが、60年生きてきて、いまだかつて、あれほどの自己中人間を見たのは、後にも先にもあの人物だけだ🤣🤣🤣🤣🤣
今は笑い話だが、当時は怒り狂って死ぬかと思った🤣
この2週間をなんとか耐え抜き、次の仕事…と思ったのだが、なかなか見つからない。
しかし窮地に陥いると、いつも手を差し伸べてくれるのが、以前も書いた元サンリオの敏腕才女のK氏。
すでに株式会社GLOBEを立ち上げ、社長として飛び回っていた。
K氏は、4月に代官山にオープンするカフェの会報誌の仕事を振ってくれたのである。
隔月発行で、12月号まで制作させていただいた。
そして時を同じくして、セコム株式会社から書籍企画の話が来たのである。
高齢者の親を持つ人を対象にした内容。
私は、セコム株式会社の企画で2010年に、高齢者向け防犯対策書籍を出版したのだが、今回は高齢者の親をもつ50代、60代の人たち向けだ。
ちょうど私の年代であり、リアルなテーマ。
私はセコム広報の方たちと一緒に制作することになった。
セコム広報のチームは、非常に優秀だ。
それは、子どもの防犯絵本「白いおばけのスー」を制作した時から変わらない。
私はセコム広報チームと仕事をするのが本当に楽しかった。
そして何より、この本は身近なテーマだけに、編集にも力がこもった。
しかし、この本を7月に出版してから、私は二度と書籍編集の仕事をすることはなかった。
最後の書籍制作の仕事だったのである。
私は派遣会社の仕事はそのまま保留にし、書籍編集、会報誌制作、スーパーのバイトの掛け持ちで働いた。
そんな時、前出のK氏からあるプロジェクトに参加にしないかと誘われるのである。
それは、私の人生で最もエキサイティングな経験だったと言えるかもしれないプロジェクト。
そう!
マカマカが、いよいよ世界へ羽ばたく時が来たのだ!
To be continued……