I LOVE MY LIFE −猫とROCKと愛の日々−

2022年11月から1年に渡って還暦ブログをほぼ毎日更新、2023年11月からは海外ドラマ「Kommissar REX」そして、REXドラマの🇨🇦版/🇮🇹版のレビュー記事。それ以前は海外ドラマ「Kommissar Rex」全編のレビュー記事です。

Edge of Sixteen  70年代ROCKと青春③

70年代、その最後の年に16歳だった私は-Edge of Sixteen-そう、崖っぷちで生きていた。

 

今回の「なぜ?」は、Nに対する違和感だ。
外見や噂とは裏腹な素直で繊細なNは、私から見ればゴロつきとかチンピラとかいう不良のイメージはない。
それよりも、彼の内面の潔癖さが際立っていた。
しかし、頑として不良を貫くNは「退学」が目前だった。

あと1回違反をすれば、レッドカード、退場。
そのギリギリのところで、Nは私と出会った。

 

Nは、私と付き合うようになってから、マジメに学校に通って勉強をするようになったと教師から聞いた。暖かく見守ってくれる教師もいて、平和な学校生活を送るようになっていた。

放課後は一緒に帰るのが日課で、Nのバイト先の喫茶店で過ごしたり、街でブラブラしたり、Nがバイトの時は修業中のメニューを作って、私に試食させたり。


N「今日はずっとキャベツの千切りだぜ。ちょっとはうまくなったか?」
と、照れながらキャベツの千切りだけを持ってきたり(笑)

 

ある土曜日の午後、一緒にレコード屋に行った。

N「バイト代出たからさ、なんか好きなの買えよ」
私「え!? いいの?やった!」

あの頃、LPレコードは2500円、高校生の小遣いでは1枚買うのも大変だった。
だから、私は嬉しくて嬉しくて、何にしようかなーと物色を重ね、

私「これにする!」と、1枚のLPをNに渡した。
N「これか、ナンダコレ?」
私「いいから!」

買ってもらったレコード、Queenの『JAZZ』
当時のQueenの新譜だ。
ジャケットデザインと『JAZZ』というタイトルに惹かれ、期待でいっぱいだった。
Nはちんぷんかんぷんという顔でレコードジャケットを眺めた。

私・独白(あー早く聴きたい、家に帰りたい〜〜〜)
いい気なもんね、せっかく買ってもらったのに…。

 

QueenのJAZZについては、Queenファンにまかせるとして😂、当時の私がどれだけ失望したかはいうまでもない🤣🤣🤣失望というより、混乱に次ぐ混乱😵😵😵
今でこそ、Queenが新境地を開拓した意欲作と言われているほど、すごいアルバムだけど16歳の私には理解できなかったな。

 

こうしてNと一緒に過ごす時間を重ねるうちに、Nがなぜ不良を決め込んでいるのか、わかってきた。

 

それは、孤独。

 

家族の中で、自分だけ阻害されている、孤独だ。
父、後妻の母親、腹違いの幼い弟、この家族は、彼にとっての家族じゃない。
耐えられない孤独。
その孤独感を埋めるために、仲間を引き連れて、喧嘩したり、万引きしたり、ナンパしたり…

 

そして、Nは私に同じ匂いを感じたのだ。

 

私の家族もバラバラで、孤独で、誰にも頼ることができない崩壊した家族だった。
唯一、信頼していた姉は、すでに大学で東京へ。
私も早く高校を卒業して、東京に行くことが目標だったのだ。

 

誰にも頼らない。
独りで生きてみせる。

 

私とNの、ギリギリの崖っぷち、最後の70年代。
お互いの孤独感が融合したとき、言葉には表せない、二人だけの平安が訪れた。

私は、Nと一緒にいる時間が唯一、生きていると感じられた…。


To be continued…

 

(C)Queen