エコキッズイベント 再び。
2011年5月。
東北では震災の衝撃が収まらない状態ではあったが、横須賀では日常が戻りつつあった。
しかし、いまだ出版の仕事は不安定で、先の目処も付かない毎日。
そんな時、2009年に開催したショッパーズプラザ横須賀でのイベントの話が来た。
私は久々のイベント開催に、二つ返事でOKした。
エコキッズイベント 2011
SAVE THE RED LIST ANIMALS
絶滅危惧種の動物たち
2011年5月26日〜30日
前回同様、ショッピングモールの一番奥、大きなスペースをもらって、アムールヒョウ実物大、写真展、マカマカ絵本とグッズ、自然環境団体のグッズの委託販売を行うことになった。
しかし、横浜八景島シーパラダイスと京急マリンパークの商品委託販売の段取りが間に合わなかったのだ。
そこで急遽、協力してくれたのが、実物大アムールヒョウや森の木々を強化段ボールで制作してくれた株式会社タカムラ産業さんだった。
同社では、東京造形大学の卒業生・田中くん(イベント関連では常連の登場人物だね😀)がデザインした「ダンボール工作キット」の販売を開始したばかりだった。
リサーチを兼ねて、商品の提供を申し出てくれたのだ!
ダンボール工作キットのワークショップを大々的に宣伝して子どもたちを集める! イベントの目標が定まったのである。
会場スペースの空きが気になっていたところに、同社制作のダンボールの遊具も展示物として提供してもらったのである。
こうして、絶滅危惧種の動物たちの紹介とアムールヒョウ写真展、さらにはダンボールキットのワークショップ。前回とは違った楽しいスペースになる予感がした。
チラシを制作して、ダイエーの各売り場に置いてもらったり、自分で配布したり、準備期間が短かっただけに集客に不安はあったものの、多くの子どもたちが遊びに来てくれたことに心踊るようだった。
震災後で誰もが塞ぎがちになっていた。
横須賀では被害は大きくなかったものの、東北では復興がままならず、福島の人たちが故郷を追われるという、悲しいニュースが流れてくる。
のほほんと暮らしている自分たちが申し訳ない気分になり、はしゃぐこともできなかった。
そんな時のイベント開催。
ワークショップに集まった子どもたちは、そんな抑えられた空気の中で、ダンボールキットの工作に没頭して出来上がりに満足して、大声で笑って、はしゃいでいた。
私は、ワークショップに集まった、たくさんの子どもたちからエネルギーをもらった。
あの時の子どもたちは、もうすっかり大人になってしまったよね。
でもどこかで会えたら、ありがとうって言いたい。
心が折れてしまって途方に暮れていた時の、あの感動を私は忘れない。
そして、ダンボール工作キットを提供してくれた株式会社タカムラ産業さんの協力がなければ開催できなかっただろう。感謝です!
人生を俯瞰してみると、川のようにずっと繋がって流れていることがわかる。
20代の頃に絶滅危惧種の動物と出会い、ケニアのサバンナで野生動物たちと出会い、白いおばけのスーの出版で大阪へ行き、アムールヒョウと出会う。そしてマカマカ絵本が生まれて、イベントを開催することになり、ワークショップで子どもたちと出会う。
ワークショップの原点は、加藤裕三氏のはりがね工作であり、東京造形大学の学生さんたちであり、そして、タカムラ産業さんへと繋がっていく。30年間のつながりが見えてくる。
このイベントで力を得た私は、再び出版の仕事に戻っていくのだった…。
To be continued….