「マカマカ タスマニアへ行く」は、マカマカ、ププ、タマリンが、嵐の夜にはぐれてしまっていたロシアサーカス団と再会して、オーストラリアへ到着したところから始まる。
ここでも、オーストラリアの風景や、星が輝く夜空の風景、森のサーカス団の風景(Are you gonna go my wayマカマカ編⑧で紹介)など、神尾氏の確かな筆の力で素晴らしいイラストに仕上がっている。
原画をちょっとだけ紹介したい。
「マカマカロシアへ行く」「マカマカ南極へ行く」と同様に、iPhoneの写真で生成した“ちょっとだけ動画” をフェイスブックでアップするので、アカウントのある方は見てみてください。「マカマカの地球歩き」のフェイスブックページがあります。
「マカマカの地球歩き」シリーズを制作するにあたって、気をつけていたことは、本来の動物たちの生態を著しく加工することなく、あくまでも事実に基づいて描くことだった。
タスマニアンタイガーが、折り重なって死んでいるシーンも、事実に基づいた描写である。
人間の強欲が、一つの貴重な種を死に至らしめた事実である。
このシーンを描くことは、神尾氏と私にとって、非常に辛い経験だった。
これまでのマカマカシリーズで「死」を描いたのは、ブルーペンギンの交通事故に続いて2度目だったが、タスマニアンタイガーの「死」の描写は、壮絶なシーンだ。
さらにタスマニアンタイガーは1936年に絶滅してしまったこともあり、それ以降の事実の認定が難しかったので、あえてラストシーンは幻想的な風景を描くことにしたのである。
南十字星が見えるオーストラリアの夜空の下で、マカマカたちが未来を見る風景は、人間の目に触れないように新しい生命を育んでいこうとする決意表明だ。あえて人間と共存せず、動物たちが手を取り合って生きていく。
森のサーカス団は、私の理想である。
人間たちに見つからない世界で生きてほしい、そう願ったラストシーンだった。
To be continued…..