2007年7月。
「マカマカの地球歩き」のスピンオフ作品「マカマカ水族館へ行く」を出版するまでの紆余曲折…。
横浜・八景島シーパラダイス・広報担当H部長からの絵本制作オファーに、私は二つ返事でオッケーしたいところだったが、ハードルが高すぎて頭を抱えていた。一番の問題は絵本のストーリーだ。マカマカ第3巻のラストシーンは、マカマカと仲間たちが、タスマニアで夜空を見上げているのだ。
タスマニアから、日本の水族館へ…どうやって行けばいいのだろう?
まずは、シーパラ(横浜・八景島シーパラダイス)の現場責任者・S氏に話を聞く機会を作ってもらった。
当時からさかんになっていた「水族館のイルカショー」反対の声。サーカスでの動物虐待と同様に、イルカショーも批判の対象になっていた。私はイルカショーの実態について、S氏に聞いた。
「イルカショーについて、批判の声が大きくなっているのは知ってます。しかし、我々は動物を虐待したことなどありません! イルカは知能の高い動物です。私たちが無理強いしたからと言って演技ができるわけではない。私たちは彼らの自主性を尊重しているのです。演技が好きなイルカもいれば、嫌いなイルカもいます。その日によって演技したくない子もいます。それを無理やりムチ打って、やらせているわけではない。すべては彼らの自主性に任せているのです」
S氏は、さらに話を続ける。
「私たち水族館の仕事は、野生生物の保護も大きな役割の一つなのです。保護した動物を治療して、野生に戻すこともしています。以前、タンカー事故で油まみれになって大量の犠牲を出したケープペンギンをまとめて保護しました。彼らが今ではシーパラの人気者になっています」
え? ケープペンギン?
そうか、道が見えた!
マカマカたちはアフリカへ向かう途中「ある島」に滞在していた。
すると、マカマカがこれまで出会った動物たちから近況報告の手紙が届く。
そこに日本の水族館の手紙が紛れ込む、という設定だ。
南極で出会ったアデリーペンギン博士から、マカマカのことを聞いたケープペンギンのケンタから、「日本に来て!」という内容の手紙だ。
手紙の発想は、マカマカグッズのラインナップの中でレターセットが気に入ったからという個人的な理由🤣
こうして「マカマカ水族館へ行く」のストーリーが出来上がった。
あとは、シーパラの買取冊数。
販売用と販促物合わせて、なんとか1000冊で納得してもらった。
シーパラ新施設「ふれあいラグーン」のミュージアムショップでの販売も順調だった。
さらに「ふれあいラグーン」オープンキャンペーンとして進行していたイベント企画。
そこに、私も重要な役割を担って参加することが決まったのだった…。
To be continued…