タスマニアンタイガーの映画
THE HUNTER
2007年6月に出版した「マカマカ タスマニアへ行く」は、タスマニアンタイガーがサブキャラクターとして登場する絵本だ。
タスマニアンタイガーは、日本名フクロオオカミ、学名サイラシンという。
絵本のタスマニアンタイガーは、この学名からサイラと名付けた。
「マカマカタスマニアへ行く」を出版したのは2007年。
今回紹介する映画「THE HUNTER」は、2011年の作品。日本公開は2012年だ。
私がこの映画の存在を知ったのは、すでにDVDになってから。TSUTAYAでレンタルして見た。おそらく2013年くらいだったと思う。
絶滅したと言われているタスマニアンタイガー最後の1頭を、金のために追う人間たちの話である。タスマニアで起きている、さまざまな問題を背景に、百戦錬磨の傭兵として生きてきたハンターがタスマニアンタイガーを追うのだ。
そして、感情を封じ込めた孤高のハンターが、タスマニアで出会った一つの家族との交流から、自らの魂を突き詰めていくのである。
絶滅したと言われているタスマニアンタイガーと、一人の男の人生が重なる。
この映画のコピー
最後の標的。
男は何に照準を合わせたのかー
うまいな、と思った。
私も書籍制作の際につけるオビ(これは日本独特だね)に一言で内容がわかるコピーに頭を悩ませたものだ。
この映画の主人公・ハンターは、最後にタスマニアンタイガーを突き止めるのだが…。
*ここからはネタバレなんだけど、めちゃくちゃ感動するシーンだから、書いちゃう!
CGで作られたタスマニアンタイガーの映像が、よくできているのだ。表情がね。
ハンターとタイガーは最後の会話をするように視線を合わせる、そしてタイガーはハンターに命を委ねたのだ。人間のエゴかもしれない、って思えるラストシーン。
切り刻まれて、研究のために細胞をとられて、跡形もなく存在しなくなること。
そんな最後を迎えたくないタイガーの願いを受け止めたハンターの最後の決断。
私はこの映画を見た時、ハンターの気持ちが痛いほどわかった。
私が描きたかった「マカマカ タスマニアへ行く」も、同じだったからだ。
もう、誰の目にも触れないところへ。
人間はどうしたって「最後の日」が来るまでは同じだ。
希望がないようだが、受け止めるしかないのだ。
禁じ手😂だけど、大好きなシーンの紹介。
ウイレム・デフォーが最高にいい!
おそらく彼の作品の中で最高傑作なんじゃないか。
日本でどのくらいの評価があった映画かわからないが、隠れた名作とも言われている映画なのだ。
アマゾンプライムでは見られないので、どこかでDVDを入手して見てもらいたいな。
絶対、面白いから!
原作:ジュリア・リー『THE HUNTER』
監督:ダニエル・ネットハイム
キャスト:ウイレム・デフォー、フランシス・オコナー、サム・ニール 他
2011 年 オーストラリア作品