第8回
「サイくん」特大レプリカ完成間近!
2004年3月10日(東京造形大学 ゼミ室にて)
午前中、有隣堂ギャラリー担当の志村圭一郎氏と横浜で打ち合わせの後、私は造形大へ向かった。場所は木工室からゼミ室に移動していた。
白く塗られたパーツは、ほぼ完成形。目や口は実物と変わない出来映え!
微妙なカーブもきれいに削り出してある。
さすが、研究生! なかなかのこだわりである。
今日のメンバーは、午前中は家田さんと田中君、午後からは家田さんから瀬詰さんにバトンタッチ。瀬詰さんは前回会った時、単位が足りないから卒業できないと言っていたのに、実は卒業できていたらしい…(詳細は割愛させていただきます)🤗
余談だが、彼女はパンクバンド「スターリン」のファンだという。
遠藤道郎が大好きなんだって。
「スターリン」と言えば、私の世代がリアルタイムだよ…。
やっぱ、不思議系だ、彼女。
*20代の頃、ミチロウの大ファンでよくライブに行ったよね。ミチロウもすでに他界してしまって、時の流れを嫌でも感じるね*
二人でジェッソ・モデリングペースト塗りと、ヤスリで削る工程を繰り返し、乾き待ちの間、これからの予定を話し合う。
学校が3月12日で閉まるので、塗装は4月から行うことに。
しかし、画像でもわかると思うが、素晴らしい出来だ。
会場内にレプリカが並ぶ姿を想像するだけで鳥肌が立つようだ。
学生たちが子どもの頃、加藤のグリコで遊んで大人になり、加藤と同様に「モノづくり」の道を選び、こうして加藤のレプリカを制作する姿は「偶然」よりも何か強いものを感じるな〜。
「ね、君たち、将来はどういう道を歩むつもりなの?」
と尋ねると、田中君曰く、
「僕は別にこういう仕事じゃなきゃ駄目だとか、そういうこだわり持ってるわけではなくて、トラックの運転手もいいなと思うし。僕、トラック好きだし。でも、せっかくこの大学入れてくれた親に申し訳ないから、トラックの運転手はできないかなって思ってるんですよ。僕は子どもの頃から引越何十回もしてきて、どんな環境にもすぐ慣れることができる。だから、どうしてもこれじゃなきゃいけないとか、玩具デザイナーになるんだとか、そういうこだわりは全然ないですね」
田中君は子どもの頃、海外で育った経験を持つ帰国子女。考え方も柔軟だ。
「え? じゃ、子どもの頃、グリコのキャラメルのこと、知らなかったの?」
「それが、近所で唯一日本製のものを売ってる小さい店があって、子どものお菓子はグリコしか置いてない。だから、僕は日本のお菓子と言えば、グリコしか知らないんです。変ですよね?」
そりゃ、やっぱり何かの「縁」だね、田中君。
さ〜て、4月に入ったら忙しくなるよ!
研究生、ゼミ生の皆さん、よろしくお願いいたします!
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ここまでが、HPで連載したメイキングだ。そして、このあとBelieve 船橋編 14 へと続くのである…。
To be continued.......