I LOVE MY LIFE −猫とROCKと愛の日々−

2022年11月から1年に渡って還暦ブログをほぼ毎日更新、2023年11月からは海外ドラマ「Kommissar REX」そして、REXドラマの🇨🇦版/🇮🇹版のレビュー記事。それ以前は海外ドラマ「Kommissar Rex」全編のレビュー記事です。

Believe 船橋編 13

 

2003年12月

「カトウくんのおまけ」出版後は、書店営業や次の企画立案で外出続きだった。月に1冊出版するのが精一杯の弱小出版社。当初の出版部3人に加えて新しく1人追加、4人体制で出版部を回していた。

事務所は神保町から本社秋葉原に移転。なかなか落ち着かない日々が続いていた。


ある日、書店営業で訪問した横浜有隣堂書店本店の担当者が「カトウくんのおまけ」に興味を持ってくれて、地下のギャラリーで展示会を開催したらどうか、と提案した。

実際、これまでも加藤裕三の作品展はさまざまな美術館、ギャラリーで開催されているし、有隣堂としては書籍の販売促進、宣伝にもなる。

 


私は、作品展の企画を練った。

結婚当時、元主人のHとともにイベント企画会社を運営していた経験を生かし、有隣堂本店での作品展を実現させたいと漠然と考えた。


しかし…。

ギャラリーは、かなり広い。

グリコのおまけは、小さい。

この大きなギャラリーに、どうやって展示すれば魅力的な空間を演出できるか?

加藤裕三のからくりのおもちゃ作品を並べるのも一案だ。

しかし、ものは有馬の玩具博物館。

横浜まで運搬するのにどのくらい費用がかかるのか?

 

 




問題が山積みだ。

ハードルが高すぎる。

私にできるのか?


そんな時だった。

東京造形大学の春日明夫教授のゼミの作品展があるというので、吉祥寺のギャラリーに足を運んだ。

春日明夫教授は、加藤裕三、西田明夫氏とも親交があった教授である。

私はそこで学生たちの作品を見ながら、そうか!と思った。


実際はどんなタイミングで話が進んだのか記憶が曖昧だが、加藤裕三の作品と造形大の学生たちが結びついた瞬間だった!


そう。

加藤裕三のおまけ作品を、

巨大レプリカとして制作する!

加藤裕三のおまけレプリカを

ギャラリーに展示するのだ!

 


とんでもない構想だったかもしれない。

しかし、春日教授も学生たちも快諾してくれたのである!

これは、学生たちにとって初めての商業作品の制作である。

経費は出版社持ちだが、いかに安価に作品を仕上げるかも重要な課題だ。

湯水のごとく材料費を使うことは許されない。

決められた枠組みで、依頼されたものをどうやって制作するか?


春日教授は、この企画を授業の一環として協力してくれたのである。

 

 



2004年、冬。

レプリカ制作開始。

私は週1ペースで東京造形大学に通うことになる。

造形大の学生たちと過ごす日々は、まるで学生に戻った気分。

学生たちの発想や、創造力に感動し、作業をする手仕事を見て感動し。

 

こうして、加藤裕三の作品展に向けての準備は着々と進んでいったのである…。

 


To be continued....