第3回
「遊具・玩具研究ゼミ」新ゼミ生と初顔合わせ
2004年1月24日(八王子 東京造形大学 ゼミ室にて)
数日前に降った雪がまだ残る八王子。
二日間にわたって同大学の最大イベント「造形展」が構内で行われている最中、私は「玩具・遊具研究ゼミ」の2004年度の説明会に参加した。
新ゼミ生と今年から研究生になる学生たち、集まったのは25名。
そこで、学生たちに作品展の説明をさせてもらった。
学生たちは、おもむろに手元の資料をペラペラとめくり難しい顔をしながら話を聞いている……。2004年度初のゼミ説明会で顔もよく知らない同士、そういう不安の中、何とも不思議な緊張感が流れていた。
しかし、加藤の「おまけ」作品リストの写真を見て
「これ、懐かしいな〜」
「これ持ってたよ」
「僕、この本、買って読みました」
と、口を開く学生数人。
加藤の「おまけ」の話になってようやく笑みがこぼれ、私もほっと胸をなでおろす。
特大レプリカ製作の説明が始まり、春日教授は
「素材は発砲スチロールだから、そんなに時間がかかるものでもないでしょう。ま、2日もあればできると思いますよ」
と軽く話すと、一人の学生が
「グループで一つの作品を制作するという話ですが、それぞれのクオリティが心配です。あっちはうまくできたけど、こっちは下手くそ、なんてことにもなるんじゃないかと……。こういう公の企画展だから、それじゃまずいんじゃないですか?」
と、するどい意見。
「それは大丈夫! 春日ゼミで制作するんだからそんなことはさせません。僕がついてるんだから、大丈夫!」
と、太鼓判を押す。さすが教授……(頼りにしてます)。
さてさて、4月からゼミ生たちはレプリカ制作開始、ワークショップは研究生たちとスケジュールを組んで企画を進めることを決定して、この日は解散。
私はその後、「造形展」の会場をまわり、学校という懐かしい空間の中でゆったりと時間を過ごしたが、ふと気が付くとあたりは真っ暗。底冷えするような寒さには驚いた。
しかし私の心は、これから始まる学生たちとの共同作業を想像するだけで熱くなり、
“これしきの寒さっ”
と呟きながら学バスに乗って家路についたのだった。
To be continued……