武勇伝その4
今回は武勇伝と呼べるかどうか疑問だが😅BOSSの特技として記録しておきたい。
BOSSが人間の男性が好きなことが判明したのは、私がHと結婚してからだ。男性と女性への反応が明らかに違うのである。
Hに対する態度は、まるで恋焦がれる少女のよう。大宮に住んでいる時は、仕事関係の男性が何人も出入りしていたので、BOSSにとっては幸せな日々だったに違いない。
だから、大宮から中野坂上に引っ越した時のダメージは大きかった。
これは大宮に住んでいた時のこと。
ある日、BOSSが片方の脚を引きずって歩いていた。
「BOSS、どうしたの! 見せてごらん!」
引きずってる後脚を確認したが、血が出ているわけでもなく、何でもない。
しかし、明らかにカクンカクンと片方の脚をかばいながら歩くのだ。
「骨が折れてるわけじゃないよね…。捻挫かな…」
私とHは、急いでBOSSをキャリーに入れて、ダクタリ大宮病院まで連れていった。
主治医のT先生は、30代半ばの男性。穏やかな優しい先生だった。
診察台にBOSSを乗せて、先生は触診する。脚をくまなく診て、全身も診る。
聴診器を当てて、じっと聞いているが…
「ああ! ゴロゴロがうるさくて、音が聞こえない!」
と言って、聴診器をばっと外すのである。
「BOSS君が初めてですよ。診察台に乗せてゴロゴロ言ってる猫…」
と先生は笑う。
「で、脚はどうですか?」
「それがね…、外傷もないし、特に問題ないんですよね。ちょっと下に下ろして歩かせてみましょう」
すると…
普通に歩いているではないか!
私とHは、目が点になってしまった!
「仮病????」
先生が言うには、まれに仮病を使う猫もいるという。しかし、それは子猫を守るときの母猫がやることで、オスが仮病を使うのは珍しい。
ていうか、
仮病を使う理由がわからんでしょ!
いや、明白である。
T先生に会いたくて、仮病を使ったのだ! これしか考えられない!
診察台でゴロゴロいうのは、先生に全身触診されて、嬉しくて思わずゴロゴロ言ってしまうのだ。
仮病を使うって!
T先生に会いたいからって。
健気というか人騒がせというか😭😭😭
さらに!
BOSSは死んだふりもする。
BOSSは、小さい頃からの悪癖で、綿の靴下やTシャツ、ウールのセーターを噛んでボロボロにするのだ。
現行犯で捕まえた時には叱るようにしていたが、そのうち死んだふりをするようになった😮💨😮💨😮💨
「BOSS! 何度言えばわかるの!」
と言って両腕を持って体を揺さぶると…
BOSSは身体中の力を抜いて、ダラーんとするのである。目をぎゅっと閉じて、私の顔は絶対に見ない。首はダラリとして、私が揺らすと頭をゆらゆらさせる。
それって、死んだふりか!
これをやられると、もう何も言う気がしなくなるのだ😮💨😮💨
諦めて手を離すと、むっくりと起き上がってどこかに行ってしまうのだ。
BOSS、お前ってやつは。
まったく不思議な猫だったよ。
いつでも笑わせてくれたやつだったよ。
😂😂😂