I LOVE MY LIFE −猫とROCKと愛の日々−

2022年11月から1年に渡って還暦ブログをほぼ毎日更新、2023年11月からは海外ドラマ「Kommissar REX」そして、REXドラマの🇨🇦版/🇮🇹版のレビュー記事。それ以前は海外ドラマ「Kommissar Rex」全編のレビュー記事です。

Walking on thin ice NY編③

 

 

冬のニューヨーク

1996年12月下旬。

3度目のJFK空港。

Mの迎えを待っている私は、彼が遅れてくることに慣れっこになっていた。


3度目の目的は何だったのか。

NYのクリスマスが見たかったのかもしれない。

Mのアパートメントにホームステイできたからかもしれない。

 

本当は、日本にいるのが嫌になったからかもしれない。

 

結婚生活が破綻して、希望を失くし、何をすればいいのかわからなくなった。

暖かい家族を作るのが子どもの頃からの夢だったはずなのに、暖かい家族の意味がわかっていなかった。

暗中模索で手を取り合って走り始めた時、大きな壁が立ちふさがって諦めた16歳。

しかしHと出会って、今度こそ乗り越えることができるかもしれないと、猫たちと疑似家族を作ったが、砂の城はあっけなく風に吹かれて跡形も無くなった。

 

NYの冬の空気は、痛いほど冷たい。

吐いた息が白く凍るのが見える。

鼻から息を吸った瞬間、鼻の奥が凍る。

あの頃の私は、その痛さを感じたかったのかもしれない。

いや、痛さを通り越して、感覚をなくしてしまいたかったのだ。

 

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Mの家族はブロンクスのアパートメントに住んでいた。

当時はママとMの二人暮らしで、姉は独立したばかりだったが、時々帰ってきて一緒に過ごした。猫が2匹。なんて名前だったか忘れてしまったが、キジトラの子は私に懐いてくれていた。

 

 

例のごとく、ネガしか見つかっていないので、データ化終了したらまとめてここに記録しておきたい。

 

毎日、私はⓂ️メトロに乗ってマンハッタンまで行き、美術館かセントラルパークか、街をぶらぶら歩いていた。以前に知り合ったイタリアンレストランのオーナーに会いに行ったり、ホイットニー美術館の学芸員の人と友達になったり、毎日何かを得ることができていた。

Mは失業したばかりで、職安に行ったりして忙しそうにしていた。

そんな時、ママはMに言った。

 

Ellis Islandに案内してあげなさい。

 

自由の女神像があるリバティ島のすぐそばにある島、エリス島。

ここは昔、ヨーロッパからの移民たちの玄関口だった。

アメリカンドリームを信じてここにたどり着いた人たちがマンハッタンへ。

 

NY滞在中、最も大きく心に残った場所だった。

 

Mの家族はアイルランドからの移民である。その昔、エリス島にたどり着き、ブロンクスへと流れついた。

Mも行ってみたかった場所に違いない。ニューヨーカーがわざわざ足を運ばない場所でもあるからだ。自由の女神像とセットの観光ルートだしね。

私たちは、バッテリーパークまでメトロⓂ️で行って、エリス島までフェリーで渡った。

 

まず驚いたのが、素晴らしい外観の移民博物館だ。

 

1892年からアメリ連邦政府移民局の本部があって、それが今では移民博物館として残されているのである。素晴らしい外観に加えてエントランスにため息が出る。

この場所に多くの移民たちが列をなし、レジスターのために順番を待っている。夢と希望と少しのお金を握り締めて。

そんな光景がパーッと目の前に広がるのだ。

 

この移民博物館をそのまま紹介している映画のワンシーンがあって、私は懐かしくて何度も見た。2005年の映画だから、私が訪れた8年後くらいの光景だが変わっていなかったと思う。映画の中では移民の歴史もサラッと説明してくれるし、なんと言ってもコメディ映画なので、楽しい。NYの風景も存分に出てきて、私にとっては懐かしさ200%!

興味のある方はぜひ見てね!

 

 

 

 


エリス島については、このサイトが詳しいので、読んでみて。

kc-i.jp


最後の文章が印象深い。

 


エリス島は多くの(実際1200万以上の)人々にとって「アメリカン・ドリーム」をつかむための入り口だったわけですが、ときにはブロークン・ドリーム(叶わぬ夢)の場所にもなったわけです。エリス島が「涙の島」という異名を持っているのも、そんな理由からなのです。

 

当時の移民たちのシグネチャーを熱心に見ているMの姿が印象的だった。

故郷を捨て、新天地で希望とともに切り拓いてきた民族の血。

 

Mのママがエリス島を勧めた理由がわかった。

私にだけでなく、Mへのメッセージでもあったんだ。

 

私たちは、その後リバティ島に渡ったがハッキリ言ってどうでもいい感じだった🤣自由の女神像の中に入ることもできたが、全く興味なし。

それだけエリス島の感動が大きかったのである。

そして二人でアイスクリームを食べて帰ってきた🍦🍦🍦

 

NYに大きなエネルギーを感じるのは、移民たちが作った街のエネルギーが、ダイレクトに伝わるからだ。希望が形になった街。

私は、闇雲に歩いていただけではなく、この街からエネルギーをもらっていたんだ、そうだったのだ…。

 

 

 

To be continued.....