武勇伝その3
怒涛の1995年の記録が終わったところで、ホッと一息・猫コラム😅今回もボス武勇伝。BOSSが3〜4歳くらいの頃のエピソードだ。
私が住んでいた下目黒。目黒川のそば、近くに目黒不動尊があり、最寄りの駅は目蒲線の不動前(今は目黒線)。下町情緒のある街だった。
マンションの周辺には、猫たちがたくさんいて、猫に優しい街でもあった。その分、野良猫も多くて、テリトリー争いは熾烈だったのだ。
BOSSはかなり広い範囲のテリトリーを確保していたと思われる。マンションの中庭全域、マンションの周囲はもちろん、ずいぶん遠くまで行ってたもんね。
マンションの中庭は、BOSSの天下、ここを通過するにはBOSSと闘う必要がある。
私は、猫の威嚇の声が聞こえてくるとベランダに飛び出したものだが、そのうち慣れてしまって放っておくようになった。
どんな動物(人間も含む)でも共通なのは、弱い奴ほど吠えるのだ。しかし、BOSSはケンカの時に威嚇しない。する必要がないからだね。
BOSSのケンカ殺法は、無言の威圧感で相手を倒す✨
テリトリーに野良や新参者が入ったら、サッと走り込んで行く手を封じる。
相手の真ん前にどかっと座り、じっと目を見て微動だにしない。
相手は、「フゥ〜!シャ〜!」と威嚇して、尻尾をタヌキみたいに太くして立ち上がる。自分を大きく見せるためだ。
BOSSは一言も発せず、ただじっと相手を見据える。
相手は、パンチをしようと片方の手を振り上げるが、タイミングを図るだけで振り下ろせない。さらに威嚇する。
BOSSは微動だにしない。
相手は威嚇しながら、一歩後ろに下がる。
BOSSは同時に一歩前に進む。
相手は、ゆっくり後ろを振り返り(ここで素早く動くとパンチが飛んで来るので、スローモーションのように動く🤣)逃げ道の確認。そして、またゆっくりと前を向き、後退りする。
次の瞬間、空振りのパンチを繰り出し、方向転換して走り出す。
BOSSは、タイミングを逃さず、相手のお尻を思いっきりパンチして弾丸のように追いかける。
しばらくすると遠くで「ぎゃ〜」というさっきの猫の悲痛な声が聞こえてくる😂
そして、ブロック塀の上を歩いて帰って来るBOSS。
堂々とした歩みで、尻尾をピンと立てて、誇らしげな顔で帰ってくるのである。
私は、BOSSのケンカには全くの不安を感じることがなかった。ま、時々、顔や胸の辺りにケガをしてくることもあったが、むしろ病院に行くのが好きだったBOSSは、それさえも楽しんでいたようだ。
立派な体格、きれいな顔、真っ白な毛並み、文句なしのキングだった✨
性格は犬そのもので😆一緒に散歩もした。リードなんか必要ない。私の横を一緒に歩くのである。散歩に遭遇した近所の人は、
「まぁ、きれいな猫ちゃんね〜。」
小学生の男の子たちは、
「でっけー猫!今まで見た中で一番でっけ〜」
と、ニコニコしている。BOSSと会った人はみんな幸せそうだった。
近所のコンビニに行く時は、店には入らず、外でちょこんと待っている。私の姿を見ようと首を伸ばしたりして。
ね、こういうワンちゃんいるでしょ?スーパーの前で飼い主さんを待ってるワンちゃん。あれにそっくりよ。
BOSSは家族を守ることが、自分の役割と認識していたのだ。
ちょっと病弱なお兄ちゃん、可愛い妹、そして私。
みんなを守ろうと一生懸命だったんだな。
BOSS、おまえはホントに自慢の猫だったよ✨