武勇伝その2
BOSS失踪40日は、大変な事件だった。
しかし、BOSSは幼少の頃から失踪癖があった。
前回のCatwalkで書いた代々木公園迷子事件も然り。
目黒時代には、無断外泊事件😔
まだ4、5ヶ月の子猫の頃。
いつもベランダの窓を開け放していたので(今考えればかなりの不用心)猫たちは出たり入ったりの生活だった。
近所に野良猫、飼い猫、たくさんいたので、うちのベランダから入ってきて、うちの子達のご飯を食べて、玄関から出て行く子も何匹かいた🤣🤣🤣
猫に優しい街だったな。
ある日、夜遅くなっても帰ってこない。心配で夜中まで探し周ったが見つからず。
私は迷い猫のポスターを作って、次の日近所に貼るつもりで用意した。
翌朝。
にゃーん!
うん?どこかで聞いたような声。
BOSSだ!
私はベランダに出た。
すると、その声は隣の部屋から聞こえてくる!
え?!
私は玄関に回って、隣の部屋のチャイムを押した。
出てきたのは若い男性で、奥からBOSSが歩いてくるではないか!
「ボス!」
「あ、お宅の猫だったんですか?」
隣人が言うには、
「夜、ベランダから普通に入ってきて、部屋の真ん中に座って、くつろいでるんですよ。お腹空いてるのかな?と思って、ソーセージあげたんですよ。そしたらガツガツ食べて。で、そのまま寝ちゃったんです。起こすのもかわいそうだったので、そのままにしておいたんです」
という経緯だ。
親切な隣人に、私はお礼を言って、BOSSを連れて帰った。
何の警戒心もなく、隣の部屋に入るって…。
実は、部屋を間違えたとか😅
BOSSの特技は問答無用で相手を信頼すること。
すると相手も自然に受け入れる。
私には真似できない、圧倒的な信頼関係を築くのだ。
そんなBOSSを私は尊敬していた。
目黒ではこんなこともあった。
マンションの真ん前に、下町特有の金属加工の工場があった。そこの飼い犬、雑種のロンちゃんとBOSSは同い年で、BOSSはロンちゃんと仲良くなりたくて、毎日ロンちゃんのそばに行っては、吠えられてた🤣
ロンちゃんのご飯を横取りして、ご主人にまで叱られてた。
ある日、BOSSが帰ってこない。
工場の奥さんも一緒になって探してくれた。
そんなに遠くに行くこともないとは思いつつ、少し行けば山手通り。
交通事故にでもあったら、と気が気ではない。
「いましたよ!」
奥さんが走ってきた。
何のことはない、真ん前の工場に閉じ込められてしまったのである。
いつものように、ロンちゃんのところに行って、そのまま工場に入り込んだのだ。
知らないうちにシャッターが閉まって、出口を失った。
工場の機械油まみれで真っ黒になって、その後のシャンプーが大変だった😭
おバカなことばかりやらかす問題児だったが、根っからの天真爛漫な性格が、誰をも虜にしてしまう魅力があったのは確かだ。
だから40日失踪の時も、誰かがBOSSを連れて行ってしまったと思い込み、近所の家の庭まで入り込んで探したほどだ(今なら不法侵入で通報されちゃうよ)。
しかしBOSSの失踪騒動は、この後も続くのである…。