I LOVE MY LIFE −猫とROCKと愛の日々−

2022年11月から1年に渡って還暦ブログをほぼ毎日更新、2023年11月からは海外ドラマ「Kommissar REX」そして、REXドラマの🇨🇦版/🇮🇹版のレビュー記事。それ以前は海外ドラマ「Kommissar Rex」全編のレビュー記事です。

REXシーズン3 最終話のこと

REXシーズン3 #17/18 
最終話「狂気の銃口 前編/後編」 Mosers Tod(原題)


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2011年の大晦日に『REXシーズン3 最終話』をアップできたことを非常に嬉しく思う。
今年は、東日本大震災によって日本中の人々が衝撃を受け、大なり小なりその影響を受けた人も多いだろう。私もその一人だ。もちろん、被災者の方々の苦しみに比べれば、影響を受けたなどと言うこと自体おこがましいかもしれないが、これまでにない苦しい出来事を経験したことは事実だ。
そんな時期、ちょうど震災が起きる数日前に偶然出会ったテレビドラマが『ウィーン警察シェパード犬刑事REX』だった。
大げさかもしれないが、私はこの1年『REX』に、どれだけ助けられたことかと思う。精神的にも余裕がなくなり、重圧に耐えられないことがあっても、毎日録画していた『REX』を見ることで心が軽くなる。
刺々しくなっている気持ちもREXとモーザーの愛情溢れる姿を見ると、す~っと元気が出てくる。
明日もがんばるのだ!と、『REX』にエネルギーをもらって1日を過ごすことができた。
特に大好きだったモーザー警部が登場する「シーズン1~3」のエピソードの最終話を、2011年大晦日で締めくくることができて本当に嬉しい。

REX&モーザー!  私に元気を与えてくれてありがとう!

さて、今回はドイツ語のタイトル通り『モーザー殉職』。
上の写真は当時のテレビガイドのインフォメーション。
モーザーが無惨な姿になってる写真を見て、当時のファンもショックだったろう。
私は、このエピソードを見たのは4月の終わりごろだったと思うが、事前にAXNミステリーチャンネルのサイトを見ていて、そんな日が来て欲しくないと思うほどモーザーにのめり込んでいた。
同時に(ドラマとは言え)REXの悲しみを想像するだけで胸が苦しくなったものだ。

日本では前編/後編の2話で構成されたエピソードだが、当時は90分のTVムービーとして放送されている。1998年1月25日(日)夜8:15からの放送で、ゴールデンタイムの放送枠を考えると、超人気番組だったことが伺える。

今回は、女性連続殺人事件。
捜査が難航していることに、メディアからの攻撃を受けているという、これまでにない珍しいシーンで始まる。モーザーたちは徹夜続きで、ろくに寝ていない状況、もちろんREXもグッタリ。

モーザーがREXの隣に座って言う。
「ここのところ遊んでないな、ごめんな」
REXと遊べないほど切迫した状況の難事件。

動機も不明、殺された被害者との接点ナシ、手に木の枝を握らせて、ドミノ・ゲームの牌を添える儀式的な遺体の置き方。サイコキラーなのか…。

こんな緊張感溢れたシーンで始まっちゃうから、モーザーとREXの朝の風景は、夜の嵐に変更!
REXは雷が怖いようで、「くぅ~く~ん」と鼻を鳴らして、モーザーのベッドのそばから離れない!
さらに、モーザーのベッドに潜り込もうとする。
一応、ベッドは禁止のルールなんだけど、面倒だからそのまま寝かせるモーザー。
すると、近くで雷が落ちたようで、凄まじい音で飛び起きる二人。
「たしかにすごい嵐だな…」
と、モーザーはブレーカーを確認しに外に出る。
その時! 屋根の煙突に雷が直撃、真っ二つに折れた煙突がモーザー目がけて落ちてきた。
とっさにREXがモーザーを突き飛ばし事なきを得たのだが、どうも不吉な予感…。
REXは胸騒ぎで激しく吠え続ける…!

次の朝…。
モーザーはREXとペットショップへ行くんだよね~。
おもちゃを買ってあげるのです! 昨日の晩のご褒美ってわけね。
REXは自分でおもちゃを選び、レジへ。
そして、もう一つ、イルカのキーホルダーのようなものを持ってくる。
「これは俺にか?」
モーザーにも、何か買ってあげるってことね? ていうか、モーザーが払うんだけどね(笑)

そこに電話が…。
さらなる被害者発見の電話だった。

犯人像が絞り込めず焦るモーザーは、犯罪心理学者を呼ぶ。
現れたのは、女性心理捜査官のノイホルト。
昨日のコメントでブロンドって書いたけど、彼女は赤毛ですね…。
もちろん無節操なモーザーですからノイホルト捜査官を見てドギマギ…(いつものことだけど)

ノイホルト捜査官は、犯人像を鮮やかに分析。そして、境界性人格障害の可能性があると判断する。
犯人像を絞り込んだら、該当者にあたる作業だ。急がないと次の被害者が出てしまう!
その慌ただしさの中で、一人ヒマなのがREXだね~。だって、デスクワークできないもん!
モーザーに買ってもらった新しいおもちゃ(イガイガがついてて、噛むとちゅーっと鳴るおもちゃです)で、ストレス発散。
みんな必死に捜査してるのに、「ちゅーちゅー」ってうるさいのよ!
みんなに静かにしろ!って叱られて、ちょっぴりかわいそうなREXよ…。

イメージ 2クリスチャンとヘララーが該当者をあたってる間、モーザーは現場検証をする。なぜ、ここに死体を置いたのか。
死体と同じ位置に座り見回すと、高い塔のある古い建物が目に入った。
もう一人の被害者の遺棄現場で同じように周囲を見ると、同じ建物が見えるではないか!
モーザーは天性の直感から、あの建物と犯人が繋がる!と踏んだ。

そして、捜査線上に浮かんだ人物・クルト・ハウフ。
彼は10年前に殺人事件を犯したものの、責任能力がないと認定され、服役はせずに施設で幽閉されている人物だった。

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さて、このクルト・ハウフを演じたUlrich Tukur(ウルリッヒ・トゥクル)はドイツを代表する俳優の一人として活躍する多彩な人物だ(写真は最近のもの)

1986年に『Stammheim』でドイツ赤軍のテロリスト、アンドレアス・バーダーを演じてベルリン映画祭で金熊賞を受賞、同年ドイツ演劇批評家協会によりその年の最優秀俳優に選ばれる。1995年から2003年まで、ウルリッヒ・ヴァラーと共同でハンブルク室内劇団の団長を務める。
2006年、『善き人のためのソナタ』でドイツ映画協会最優秀助演男優賞という、素晴らしい芸歴だね。

シーズン3最終話で、モーザーと対決するに相応しい俳優だと思ったな。
とにかく、この人の目の演技がいい! 境界性人格障害の犯人なんて、結構大変な役作りが必要だよね。微妙な心理状態を演じるUlrich Tukurには感心した。
毎回こういう役者さんが出てくれるといいんだけど…。 予算もあるから仕方ないのか~。


今回は、モーザーのロマンスもしっかり描かれます。
最後だし、寂しいまんま終わったんじゃ可哀想ってことか…。
ノイホルト捜査官と電撃的に良い関係になっちゃう。二人とも一目惚れという設定? 
早速、二人はベッドインですよ!(はや~~~い!!!!) そのくらい意気投合したってわけね。
ここで可笑しいのはREXの態度だ。なぜか二人を認めるのよ。これも、虫の知らせなのかな…。
二人がベッドで戯れてるところを、鍵穴から覗くREXはちょっと怖かったけどね…。
結局3人でベッドにもぐって仲よく寝てるし。

ノイホルトに庭から花を摘んであげたりしてるし。REXが初めて認めた女性ってことだよね。
あ~、それなのに…。

地道な捜査でじわじわと犯人・クルトに近づくモーザーとノイホルト。
クルトの聴取をするため、ノイホルトが近づく。
その間、REXとモーザーは施設内のクルトの近辺を捜索、そこで施設から抜け出す道をREXが見つけるのだ! ノイホルトもクルトの核心を突き、手応えを感じていた。
クルトは警察の手が迫っていることを感じ、施設から脱出を図るのだ!

クルトの犯罪の原因は厳格な母親だった。
母親の愛を感じられず、母親を抹殺したい欲求を、女性を殺すことで満たしていたのである。
病んでる…。

そして、次のターゲットはノイホルト捜査官だった…。
拘束されたノイホルト捜査官は、古い屋敷の地下で縛られ気を失っていた。

モーザーはノイホルト捜査官の異変に気づき、古物商をしているクルトの母親に会いにいくのだが、彼女もいない。
母親はクルトによって、すでに監禁されていたのである
REXが母親の足取りを追うと、あの古い建物にたどり着いたのだ。
REXはモーザーを待たずに建物内に入り捜索。
そして、気絶しているノイホルトを発見! 
REXは全速力でモーザーの元に知らせる。

モーザーはノイホルトを無事救出すると、彼女をREXに託しクルトを探しに行くのだが…

この後は、Youtubeの画像をごらんください…。
フランス語吹き替え版なので(ドイツ語英語字幕の見やすい映像が見つからず…)
セリフは気にせず、REXの表情をご覧ください!



最後のシーンはベッドに横たわるモーザーに寄り添うREXで、執拗に引っ張ることなく終わらせるあたり、余計に悲しみを誘い呆然としてしまった…。

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モーザーの殉職とともに今年も終わろうとしています。
来年からは二代目相棒アレックスことGedeon Burkhardを追っかけます!
懲りずにご訪問いただければ嬉しく思います。

つたない『REX』レビューを毎回読んでいただいた皆様、本当にありがとうございました!
来年もどうぞよろしくお願いいたします!

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