I LOVE MY LIFE −猫とROCKと愛の日々−

2022年11月から1年に渡って還暦ブログをほぼ毎日更新、2023年11月からは海外ドラマ「Kommissar REX」そして、REXドラマの🇨🇦版/🇮🇹版のレビュー記事。それ以前は海外ドラマ「Kommissar Rex」全編のレビュー記事です。

REXシーズン3 #5 のこと

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REXシーズン3#5

第5話「癒されない傷」 
Annas Geheimnis(原題)


ストーリーとは全く関係ない写真ですがクリスマスのモーザー&REXです→


今回は、久々にシリアスなストーリー。3話、4話で遊びすぎたスタッフ(笑)が、ようやく本腰を入れたかの展開で、私のお気に入りの一本になった。
これまでの「ありえないREX」ではなく、微妙な表情と感情に訴えかける名演技で、見る者の涙を誘う名シーンだったと言えるのではないだろうか。


冒頭、いきなり深夜のDr.グラーフの研究室。スタッフがヘロインの過剰摂取で死亡したと思われていた少女の血液から、高濃度の睡眠薬が検出されたと報告に来る。この状態で自らヘロインを打つことなどできないため、他殺の疑いが出てきたのだ…。

今回はヘララーがモーザー宅を訪問して、一緒に夕飯を食べてる風景だったね~。モーザーが料理をしてヘララーをもてなしている風景。REXはヘララーと遊びたくて、「遊ぼう遊ぼう!」って甘えてる姿が超キュートなの。現場では堂々たる刑事犬なのに、家に居る時のREXはまるで子ども。そのギャップがREXファンにはたまらない!
モーザーのメニューはパスタのようですね(イタリアの血が入ってるだけに!)。
しかも手際がいい!

モーザーことTobiasさん主演映画で「ミス・ダイヤモンド2」というのがあるんだけど(こちらは別の機会に紹介したい!)ここでもパスタを作るシーンがあるのよ。Tobiasさんの得意料理なのかも…。

そこへDr.グラーフから電話が入るのだった。

次の日、少女の遺体が火葬される寸前に中断させ殺人事件として捜査を始める。
捜査が進むにつれ、一人の男が浮上する。少女の同僚の男。彼は薬物中毒の過去があり、モーザーたちは彼を容疑者として拘束するのだが…。

今回は、モーザー、ヘララー、REXの楽しいディナーシーンから一変、重い空気が終始流れる展開。第4話と違ってベテラン俳優たちがゲスト出演していたからだろうか。

イメージ 2殺された少女の父は検察官、母は教師、厳格な家庭で育った娘がヘロインの過剰摂取で殺人事件に発展してしまったのである。
しかも少女は生前精神科に通っていて、その主治医も殺されてしまうのだ。
手がかりを失ったモーザーは、少女の遺品の8mmビデオに真相が隠されているのではないかと繰り返し繰り返し、見るのだ。それは、何の変哲もない家族の様子を撮影したホームビデオだったのだが、一瞬、少女の表情に“ただならぬもの”を感じて、その場面をリピートする…。
モーザーはこの時、
少女を殺した犯人を見つけたのだった…。

こういう時のモーザーって、めちゃくちゃキレてる刑事だなって思う。
幼少の頃から修羅場をくぐってきただけあって、人間の心を見抜く力に長けている。
刑事という職業はモーザーの天職ではないのかな~と思わせるシーンだったね。

そして、モーザーとREXは少女の母に会いに行った。

「お嬢さんは、虐待されていたのではないですか?」

そうなのだ…
少女は幼い頃から父親に虐待を受けていて、18歳になって逃げるように家を飛び出した。しかし、癒されない心を精神科に通ってリハビリしていたのである。ところが少女が「児童虐待」のテレビ番組に出演することを知った父親が、ヘロイン中毒患者に見せかけ殺したのだった。
自分の地位、名声、世間体…そんなもののために、自分の娘を殺す父親。なんと身勝手な人間なのか。
その事を知りながら何もできなかった無力な母親。

母親はすべてに絶望し自殺を決意する。

立体交差している道路の石橋の欄干に思い詰めた表情で腰かけている姿をモーザーが発見する。

モーザーはREXに「彼女のところへ行け」と、指示する。

REXは全速力で階段を駆け上る。
集まる野次馬をかきわけ、REXは母親の元へと歩み寄った。

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REXは、何事もなかったような顔をして、「くぅ~ん」と鼻を鳴らして、欄干に座る母親の膝に顎を乗せた。
ハッと我に返った母親は周囲を見回す。
そして、REXの顔を見る。
REXの表情…、慈愛の表情とでもいうのか、まるで母親の悲しみを包み込むような優しい顔。
そしてREXの額を優しく撫でる母親。
まるで時が止まったような空間に、REXと母親だけが存在していて、言葉などいらない、心と心の触れ合いだけで分かり合える瞬間があると確信させるシーンだった。

モーザーは、すべてをREXに託したんだね。
そして、母親を止めることができるのはREXしかいないと信じていた。
モーザーがゆっくりと二人に近づき母親を欄干から下ろすと、母親は堰を切ったように号泣した…。

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今回はREX&モーザーのドタバタもなく、REXのクリスチャンいびりもなく、ただひたすら重い空気の展開の中で、モーザーとREXの静かな名演技が忘れられない、見応えのあるエピソードだった!

大満足!