2008年7月から開始したエコキッズイベントは、青山ブックセンターの2店舗を皮切りに、9月には有隣堂ギャラリーで開催した。
カトウくんのおまけ展でも悩んだ、会場スペースの大きさ。
ここをどう生かすかがネックだった。
メインはアムールヒョウの写真展だが、写真だけでは面白くない。
もっと何かが欲しい!
そう思って相談したのが、東京造形大学の卒業生の田中君だ。
すでにデザイン事務所に就職して忙しい身ではあったが、快く相談にのってくれたのである。
そして…。出てきたアイデアはというと…。
等身大のアムールヒョウと、ロシア・タイガの森を再現!
アムールヒョウの等身大…。
どうやって作るのか?
立体ではなく、アムールヒョウの画像を大きく引き伸ばしたものを強化ダンボールに貼り、それを立てかけるというものだ。イベント会場などでよく見かけるものだね。
さらに、強化ダンボールで樹々を作り、会場に設置する。
これが見取り図である。
アムールヒョウの画像を実物大に拡大するには、高解像度の元画像が必要。
幸いなことに、ユーリーシブネフさん(NHKスペシャルで登場したアムールヒョウ研究者)の写真を借りることができたので、ここから3頭のアムールヒョウを選んだ。
そして、実物大がどのくらいかというと、
体長: 約180cm
体重: 32〜48kg
人間と同じくらいの大きさになるんだね。かなりの大きさだ。
これらを制作するためには、プロの手が必要だった。
そこで田中君が紹介してくれたのが、ダンボール制作会社・株式会社タカムラ産業だった。
同社は、トライウォールという3層の強化ダンボールで什器や家具などを制作している、ダンボールの可能性に挑戦している会社だ。
同社に、実物大のアムールヒョウと森の制作を依頼したのである。
制作開始して、すぐにぶつかった問題点が、画像を実物大に拡大すると解像度が低くなり、クリアに印刷できないことだった。ところが解像度低めの画像が、別の効果を導き出したのである。
上のアムールヒョウ、立体的に見えるでしょ?
でも1枚の写真なのだ! この効果には驚くしかなかった。
遠くから眺めると、立体感が増加するのである!
写真に収めることで、さらに立体感が増す。
不思議な現象。
こうして、実物大アムールヒョウの制作、森の制作、写真パネルの制作と、有隣堂ギャラリーでの準備は着々と進んだのである…。
To be continued..