LANAの子どもたち。
茶トラ♂
キジトラ♂
キジトラ♀
3匹は、うちでは暮らせない。
そう、誰かに里子に出さねばならない。
心で泣きながら、私は里親をさがすことになった。
まずは、近所のペットショップに貼り紙をさせてもらった。
可愛い3匹の写真とともに、里親募集中…。
すると、すぐに連絡が来た!
猫をもらいたいと言って来たのは、若い姉妹だった。
2人とも礼儀正しく、しかも美人姉妹。
この時点で、オッケー😅
「みんな予防注射済です。茶トラとこっちのキジトラが男の子。この子が女の子です」
そう説明するまでもなく、姉妹は茶トラに決めてきたようだった。
実は茶トラが一番乳離れが遅く、甘えん坊でLANAから離れなかった。
キジトラの2匹は仲が良く、茶トラは仲間はずれにされることが多かった。
LANAも茶トラがオッパイを欲しがって、そばに寄ってくるとスッと立ち上がって、ワザと突き放したりして、独り立ちをさせようとしていた。
少し心配ではあったが、姉妹を信頼して、茶トラを託すことにした。
茶トラをカゴに入れて姉妹が帰ろうとしている。
私はLANAの様子が心配だった。
以前、DONをもらいに行った時、DONの母親は半狂乱になって追いかけようとしてきた。そんな事態になったらどうしようとヒヤヒヤしていたが、LANAは一言も発せず、ただ静かに見守っていた。
LANA。
お前は本当に母猫の鑑だね。
あの時、LANAがどんな気持ちだったかを考えると、今も涙が出る。
そして、残るはキジトラ2匹。
ダクタリ動物病院で子猫の里親探しをしてくれる団体があることを聞いた。
登録制で、条件は予防接種済であること、健康であること。
猫を欲しい人も事前に登録して審査がある。
場所は二子玉川の駅前の施設。
私はすぐに登録した。そして、連れて行く日を予約。
当日の朝。
私は2匹をキャリーに入れた。
じゃーね。
2匹の新しいお家を探してくるよ。
LANAは、何も言わず静かに見守っていた。
すべてを理解しているようで。
私は、二子玉川までの道すがら、やっぱり泣いていた。
本当は誰にも渡したくなかった。
でも、無理だよね、6匹なんて。
しかし、そんな気持ちも施設に着いた途端に吹っ飛んだ!
そこは、まるで猫の幼稚園みたいなところで、ガラス張りの建物の中には、ありとあらゆる子猫たちが走り回ったり、寝ていたり、好き放題にしている。
小さいお城の建物や、色取り取りのクッション、まるでおとぎの国だ。
2匹はそこで貰い手が見つかるまで過ごすことになる。
「こっちがメスで、こっちがオスです」
「可愛いね〜。お尻は?」
と担当の人がお尻をチェック。きれいなお尻は健康な証拠。
風邪をひいてないかどうかなど、チェックが終わると、メスにはピンクのリボン、オスには水色のリボンが首に巻かれた。
「この子たち、貰い手みつかるでしょうか…」
「大丈夫。この子たちだったら可愛いし。今日中には決まりますよ」
そう言われて、私はちょっと誇らしげな気分。
いよいよ、2匹がガラス張りの猫幼稚園に入る時、私は一部始終を見続けた。
LANAと別れて初めての場所、知らない子猫がいっぱいいる。大丈夫か?
2匹はピッタリと寄り添いながら、プルプルと震えながら、幼稚園の真ん中まで歩いて行く。キョロキョロしながら、プルプルと震えている。
そこに1匹の子猫が近寄ってきた。クンクンと匂いを嗅いで、スーッと離れて行く。他の子たちは、思い思いに遊んでいる。
しばらくすると、メスのキジトラが他のグループの方にゆっくりと歩いていった。そして、その仲間に入って一緒にオモチャで遊び始めたのだ!
ポツンと残されたオスのキジトラのもとには、他の子猫が寄ってきて、取っ組み合いが始まった。
もう2匹は、この猫幼稚園にすっかり馴染んで仲良くみんなと遊んでいる。
ほんの15分前、寄り添って震えていた2匹ではなかった。
私は、子猫たちのたくましい姿を見て、清々しい気持ちになった。
大丈夫だ。
LANAは、2匹にしっかりと生きる道を教えている。
何も心配することはない!
LANAの血をうけついだ知恵モノたちだ。
私は30分ほど様子を見たあと、空のキャリーを手に、二子玉川をあとにした。
翌日。
私はやっぱり心配で😅施設に電話した。
「あのキジトラちゃん2匹ですね。昨日の夕方にはもらわれていきましたよ」
「え、もう? あの、どんな人にもらわれたんでしょうか?」
「申し訳ありません、それは教えられないんです。あとでトラブルになることもあるので、身元保証の審査もしておりますから、ご心配ないですよ」
そうか。
どこかできっと幸せに暮らしてる。
LANA、子育てご苦労さま。
あ、BOSSもね😅
To be continued....