新小岩で生まれ、野良として育ったサビ猫LANA。彼女との思い出は多岐にわたる。
Cats’n’Rock 新小岩編は、LANAの物語と言っても過言ではなく、江戸っ子よろしく派手に登場、ヤクザ先生の素晴らしい治療で見事復活、3匹の子猫を立派に育て、先住猫のBOSS、DONとも賢く付き合う、優等生猫だった。
こじんまりして丸っこい体つき、人懐っこい性格が、BOSSとはまた別の意味で、誰にでも好かれた。
人間で言えば、おてんば娘でカラッとした性格、知恵者で親切で優しいストレートな女の子ってところか。
そんなLANAの一番の特徴は、食いしん坊だったこと。
元野良だったから人間からもらうご飯で生きてきた。だから、人間の食物の味を知っている。これは、はっきり言ってよくないこと。
猫に塩分は必要ないのに、塩分の味付けが美味しいと記憶してしまってる。
私は基本的に猫たちには、人間の食物をあたえなかった。
しかし、Hと結婚してから、このルールが崩れてしまったのである!
猫たち可愛さに、Hは食事時になると自分が食べるものをあげるようになってしまった。
これに反応したのは、LANAとBOSSだ。
もとよりDONは人間の食べるものには興味がない。
みつ子&みつあかは、Hには懐いていなかった。
うちのダイニングテーブルセットの椅子は6脚あったので、LANAとBOSSは、食事時になると、Hの両脇にすわるようになったのである。まるで、そこが自分の席だとでも言うように。
大体は、ハムやベーコンをあげたりしていたHだったが、ある夏の日のこと。
昼食はお決まりのそうめん。
BOSSは興味なさそうに、どこかに行ってしまったのだが、LANAは粘る!
ちゅるちゅると美味しそうにそうめんを食べるHの口元をじ〜っと見るLANA。
「うん? ラナ、食べるか?」
とHが言うと、LANAは、
うんうん、食べる食べる!
とでも言うように、目を輝かせた。
Hはそうめんを一本摘んで、LANAの目の前にぶらぶらさせた。
LANAはそうめんの先端を口でうまく捉えて、もぐもぐとそうめんを少しずつ口の中に運んだのである!
まるで、人間のようにちょっと頭を上に向けて、一本のそうめんを食べているのだ!
「どうだ! うまいか?」
と、得意満面でLANAに語りかけるH。
「……………………….」
その時のラナの顔が忘れられない😆😆😆
ラナの頭の中は「?」マークでいっぱいだったに違いないのだ。
これ、なに?
困惑した顔をしながらも食べるLANA。
HはHで、LANAが上手にそうめんを食べるものだから、また一本をぶらぶらさせる。
LANAも、美味しくもないのに目の前に出てくるとつい食べてしまう。
あの困惑した表情のLANAを写真に撮っておくべきだったね🤣🤣🤣
LANAの食いしん坊は、好奇心旺盛な証拠。
保守的なDONは全く興味を示さなかったねぇ。
冷蔵庫を開ける音がすると、走って飛んでくるLANAが、キラキラした目で私と一緒に冷蔵庫の中を覗く姿を思い出すたびに、微笑んでしまう。
今ではきっとなんでも好きなだけ食べているはず。
でも、そうめんはどうかな🤣