目黒編、最大の危機。
猫3匹と人間1人、
ギリギリの崖っぷち。
TSUN→FIV発症、余命1年。
BOSS →養子問題の葛藤。
DON →舎弟が居なくなる危機。
私→猫の養育費調達問題。
しかし!
前に進むしかない。
愛の力で……。
とりわけBOSSの養子問題は難航した。六本木のママのご主人がBOSSを養子に欲しいの一点張りでひこうとしない。私はママに世話になってるだけに立場が弱い。
私は、六本木から銀座へ鞍替えすることを決意する。
目黒から遠く離れなければ、BOSSを奪われてしまう危機感に陥ったからだ。
BOSSは渡さない!
何があっても!
BOSS、
一瞬でも養子に出そうと思ってしまった私を許して。
もう絶対に里子になんか出さないよ!
新小岩を選んだ理由は、銀座に近いことと新築2LDK、十分の広さ。
3匹+1人でもオッケーだ。
銀座のクラブに移って給料もほぼ倍になったし。
TSUNの治療費も何とかなる!
ただ問題は、ダクタリ大橋病院まで遠くなったこと。
TSUNは定期的な入院が必要で、その間隔は1ヶ月から、2週間になり、1週間になり、とうとう入院したきりになってしまった。
面会に行くのも横須賀線で品川まで出て、山手線に乗り換え大崎まで、そこからバス。1時間半はかかった。
BOSS養子問題で、逃げるように新小岩に引っ越したが、TSUNにとっては病院に行くまでの距離が負担になったことは間違いない。
人生は思い通りにいかない。
愛しててもどうにもならないことがある。
16歳の時に嫌というほど思い知らされた。
そうだよ…。
人生、うまくいくなんて、決して思っちゃいけない。
1986年リリースのPrinceのアルバム「Parade」のラストソング
Sometimes it snow in April 、この曲を聴くと、いつもTSUNを思い出す。
印象的なリフ。
Sometimes it snows in April
Sometimes I feel so bad, so bad
Sometimes I wish life was never ending,
And all good things,
they say, never last
4月に雪が降ることもある
悲しい気持ちになることもある
人生が永遠に続いてほしいと時々思う
いいことだっていつかは終わる
そう人は言う
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1988年4月1日。
プルルルルル……
プルルルルル……
電話だ…
誰よ? こんな朝っぱらから…
私の毎日のスケジュールは、帰宅が午前2時〜3時。
寝るのは午前4時ごろ。
午前中の電話は出ないのが鉄則。
そして、私の電話機に留守電機能は付いてない。
そして昼過ぎ、2度目の電話。
プルルルルル……。
プルルルルル……。
誰よ?
「はい、もしもし」
「あ、もしもし、ダクタリ動物病院です…。TSUNちゃんが……」
「……… え?」
*******************
朝の電話に出ていれば…。
どうして、どうして、寝てたのよ!
バカバカバカ!
間に合わなかったとしても、そばに居てあげたかった。
ごめん、ごめんごめんね。TSUNちゃん…。
私はボロボロ泣きながら、
JR新小岩駅のホームで、
横須賀線が来るのを待っていた…。
To be continued