I LOVE MY LIFE −猫とROCKと愛の日々−

2022年11月から1年に渡って還暦ブログをほぼ毎日更新、2023年11月からは海外ドラマ「Kommissar REX」そして、REXドラマの🇨🇦版/🇮🇹版のレビュー記事。それ以前は海外ドラマ「Kommissar Rex」全編のレビュー記事です。

Cats‘n’Rock 新小岩編 ②

 

4月の深大寺。この奥に動物霊園がある。

 

1988年4月1日。
 TSUN 永眠。
推定4歳6ヶ月。

 

 

私は、キャリーに入れたTSUNと一緒に、JR大崎駅のショッピングモールで真っ白な百合をいっぱい買った。


横須賀線に乗って、新小岩に着いた。

タクシーでマンションに帰った。

 

BOSSもDONも異変を感じウロウロ歩き回った。

ダンボールの箱にタオルを敷いてTSUNを寝かせ、白い百合を入れた。


DONは箱を覗いて、すぐに遠ざかった。そして二度と近寄らなかった。

BOSSは….TSUNをジッと見つめて匂いを嗅いで、そのあとリビングのソファの下に潜ったまま出てこなくなった。

 

TSUNの体重は2.7kgまで減っていた。
タキシードを着たような模様、胸の白いフサフサの毛が自慢だった。

その白い毛が、嘔吐したのかちょっと汚れていた。

 

「TSUNちゃん、お風呂入って綺麗にしようね」

 

私は固くなったTSUNを抱いてバスルームへ。
熱めのシャワーで胸の白い毛をキレイにして、シャンプーで全身洗った。

フサフサの毛にしようとドライヤーで乾かしながら愕然とした。


一向に乾かないのだ。


どんなにドライヤーを当てても、冷たい体が温まらないのだ。
生きてる時はすぐに乾いたのに…。
私は、泣きながら1時間以上ドライヤーを当て続けた。
痩せこけたTSUNの身体を抱きしめて、後悔で泣いても泣いても涙が溢れた。

固くて冷たいTSUNが不憫で悲しくて。

ようやくフサフサの毛になったTSUNを、彼がお気に入りだった赤いタオルで包んで箱に寝かせた。
真っ白な百合と真っ赤なタオルとTSUNの白黒の毛が美しかった。

 

 

次の日、調布の深大寺にある動物霊園に連れて行って最後のお別れをした。

 

樹々の花が咲いて美しい深大寺境内

 

 

自分の一部が死んでしまったような感覚。
私は放心状態に陥った。
愛する者の死を初めて経験した。
胸が痛くて呼吸ができないほど苦しかった。

 


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前回の記事中にリフだけを載せたPRINCESometimes it snow in April.
この曲はTSUNとの別れをそのまま歌にしてくれたよう。
翻訳を全文を紹介します。ちょっと長いけど。*繰り返しは省略しました。


トレイシーは長い内戦のあと、すぐに天に召されたんだ
僕が彼の最後の涙を拭ってあげた後のこと
彼はあの世で、生きていた頃より幸せにやってるさ
ここにいる馬鹿者たちより、ずっと幸せにやってるはずだよ

トレイシーを想ってよく泣いた
彼は僕のたった一人の友だちだった
めったに見ることができない車のように
彼は本当にいいヤツだったのさ

トレイシーを想ってよく泣いた
もう一度彼に会いたくてね
でも時々、そう時として人生はうまくいかないものだよね

4月に雪が降ることもある
悲しい気持ちになることもある
人生が永遠に続いてほしいと、時々思う
でも、良いことは永遠には続かないってこと

僕はときどき 天国のことを想う
トレイシーはきっとそこにいる
彼は、他に友だちを見つけたことだろう
もしかして
彼は4月に雪が降る理由を見つけたかもしれない

いつか トレイシーに、再び会えるかもしれない
良いことは永遠に続かないってこと

 

And love, 
it isn't love until it's past

 

「愛」は、過ぎ去って初めて「愛」になる

 

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BOSSもまた、大きな悲しみに支配されていた。

TSUNが旅立ったあの日から、ソファの下に潜ったまま動かなくなった。
ご飯も水も口にしなくなった。
引っ張り出そうとしても、頑なに動こうとしない。

 


それは、2週間、続いたのである…。

 

 


To be continued…..