I LOVE MY LIFE −猫とROCKと愛の日々−

2022年11月から1年に渡って還暦ブログをほぼ毎日更新、2023年11月からは海外ドラマ「Kommissar REX」そして、REXドラマの🇨🇦版/🇮🇹版のレビュー記事。それ以前は海外ドラマ「Kommissar Rex」全編のレビュー記事です。

☆Memories 3

 

思い出の小倉パフェ。当時はもっと豪華だったような…


今、実家に帰ってきている。年末は会社の仕事が若干忙しいので、今のうちにと帰ってきた。昨日のブログにも書いたが、新幹線が大幅に遅れ、計画していたことが実行できず、今日に延期。

このブログは、Edge of sixteen で書いた通り、ずっと疑問だった愛について、時系列に辿って検証する、そういう超個人的な記録である。しかし私と同世代の60年代生まれの人たちには懐かしい話もあるだろうと、共感してもらえると嬉しい。

 

 

neocats.hatenablog.com

 

さて、これまで封印していた、Nとの思い出の地を歩いてみる試み…。

私は40年、あの高校には足を向けていない。

40年ぶりに行ってみるか。

中心街の駅から、1時間に2本の単線電車。

田んぼの中を走る3両編成の電車。

向かう先のG岳に薄っすら雪が被っている。

こんな風景だったか…と記憶を辿るが断片的だ。

 

駅に着く。

 

当時、駅の入り口は1ヶ所だったはず。今や地下通路ができ、入り口2ヶ所になっている。

適当に北口に出てみると、見覚えのある風景が広がった。

 

あ、ここ。

お好み焼き屋さんだ。

帰りにお好み焼きを食べたっけ。マヨネーズかけてさ、

安倍川餅焼いてもらったり。

懐かしい。

 

でも、建物は風化し、看板も取り去られ、ガラス戸と入り口の引戸にはブルーシートとガムテープで封鎖してある。

もうとっくの昔に閉店したことがわかる寂れた風景。

私は時の流れに押しつぶされそうになる。

 

学校に向かって歩いてみたが、あの当時の風景はもうない。

途中に駄菓子屋があったのに、そこはセブンイレブンに代わっていて、殺風景で無機質。

住宅街をうねうね歩くと、パーッと視界が広がって田んぼが見える。

その先に稜線を背景に校舎が聳え立っていた。

 


43年前。

私たちのささやかな、たった一つの幸せを、残酷に奪ったあの学校は、

今も存在している。

 

私はしばらく、その姿を眺め、正門を背にして歩き出した。

Nと一緒に彼の家まで帰った道。どこをどうやって歩いたのか。

私は、ただ闇雲に歩き、やがて諦めた。

きっとこの辺り。

手を繋いで歩いた17歳と16歳の私たちが存在した事実は風化しない。

そう思った。

 


………………………….

 


当時、私は他の女子高生たちと同様にスイーツが大好きで、しかし思春期に必ず通る道、痩せたい願望、食べたい&痩せたいで葛藤していた。

しかもNは痩せ型だったから、彼より太ったら大問題だ!

しかし2人で喫茶店に行けば、必ず私は小倉パフェを注文してNはコーヒーだけ。

私がパクパク食べる姿を楽しんでいたのかもしれない。

 


ある日、そんなNの態度にムッとして、

「私ばっかり食べて、太っちゃうじゃない!」

「太ってもいいよ。俺、ぽっちゃりしてるの好きだから(笑)」

「私、ぽっちゃり嫌い」

 

するとNはウェイトレスを呼んだ。

ウエイトレスが「はい」と言って持ってきたのは、パフェ用の長いスプーン。

 

半分こして食べよう。俺も半分太るからさ(笑)な?これでいいだろ?

 

私たちはこうして、小倉パフェを2つのスプーンで食べるようになった。

あの頃の小倉パフェ、あんことアイスクリームが絶妙に絡み合って絶品だったな。

 


私は43年ぶりに、Nがバイトしてた喫茶店に来た。

あれからずっと同じ看板で同じところにあった。

あの頃オープンしたばかりの画期的な喫茶店で、店内に池があり錦鯉が泳いでる、ちょっと不思議な喫茶店。入り口近くにはガラス張りの個室があった。

Nはいつもそこに私を案内してくれて、他の客とは別格、特別扱いされてるようで嬉しかった。

今は、内装はガラリと変わってしまい、あの個室もなくなっていた。

 


そうか…。

 


私は小倉パフェを注文したあと、店内をまじまじと見回した。

記憶は、あのガラス張りの個室と、Nが制服でシルバートレーを持って颯爽と店内を歩き回る姿しか思い出せなかった。

私はホントにNだけしか見ていなかったんだね。

切ない😥

 


ウエイトレスが小倉パフェを持ってきた。

 


「昔、ここにガラス張りの個室があったよね?」

「さぁ、どうでしたか…。私がここにきた頃にはもうなかったですよ」

 


小倉パフェ、

今日は一人で食べるよ。

スプーンも一つ…。