I LOVE MY LIFE −猫とROCKと愛の日々−

2022年11月から1年に渡って還暦ブログをほぼ毎日更新、2023年11月からは海外ドラマ「Kommissar REX」そして、REXドラマの🇨🇦版/🇮🇹版のレビュー記事。それ以前は海外ドラマ「Kommissar Rex」全編のレビュー記事です。

Walking on thin ice 中野坂上編①

中野坂上のマンションで久々のひとり暮らし(+猫)を満喫をする私

 

 

いよいよ人生中盤に入り、第5シリーズに突入! 

タイトルはLenny Kravitzの曲だ。

私はここから数年間、危ういThin iceを歩いていくことになる…。

 

1996年夏、結婚生活が破綻、再び人間1人+猫の生活に戻り、私は中野坂上ワンルームマンションに引越した。

 

ここに至るまでの顛末を、改めて記録しておこう。

 

1996年8月初旬、NYから戻ってきた私は、子どもが欲しいという話をHに思いっきり拒否され、頭の中は「離婚」の2文字しかなかった。

私とHは朝っぱらから夜の8時まで、言いたい放題言い合った。

これまでの不満が爆発して、次から次へと罵倒の嵐。

そしてもうこれ以上ないだろう、全てを出し切った感のある夜8時過ぎ。

私は切り出した。

 

私「もう離婚しか考えられない…そうだよね?」

H「俺は、離婚したくない!」

私「え?何でよ。私に不満だらけじゃないのさ!」

H「俺は、愛しているから!」

私「は?……」

H「もう少し時間が欲しい」

私「…時間って、どういう意味よ」

H「お互いに一度離れて冷静に考えて、離婚を決めるのはその後でもいいと思う」

私「……」

H「別居して、冷静になって考えたい。一緒にいるから見えないこともあるかもしれないから」

 

私はHの言うことも一理あると考え、同意した。

しかし、気がかりなことがあった。

BOSSのことだ。

BOSSはHのことが大好きで、HもBOSSにベッタリである。

 

 

「BOSSだけ置いていこうか?」

と、私は言った。

「いいよ、別に。BOSSだって一人になったら寂しいだろうし」

 

確かにこれまでずっとみんなと暮らしてきたBOSSだから、1匹だけになったら寂しいに決まってる。

うしろ髪を引かれるような気持ちで、私は5匹を連れて引っ越したのだ。

引っ越しの日、Hは外出した。

BOSSと別れるのが辛かったに違いない。

 

そして、別居という形で、私は中野坂上に引っ越して来たわけだ。

 

そこは西新宿まで歩いていける距離、高層ビル群が目の前なのに、ぽっかりとそこだけが取り残されたような下町だった。凝ったデザインのマンションで私の部屋はワンルーム。狭い部屋だったが居心地のいい部屋だった。

中庭が美しくデザインされて広かったので、私はある程度慣れたら、猫たちを自由に外で遊ばせようと思った。

幸い、マンションは狭い路地に囲まれていて、車を飛ばす人もいないし、むしろ自転車が多かったくらいだ。

猫たちの遊び場を確保できたので、ワンルームでも大丈夫と思ったのだ。

 

夜、中庭で遊ぶ、みつあか

 

しばらくして、大宮のマンションの鍵をHに返しに行ったときのこと。

チャイムを押して待っていると、Hが、トランクス1枚で出て来たのだ。

 

「どうしたのよ、その体!」

「服が着られないんだよ…」

「……!」

 

Hの身体中が、湿疹で真っ赤に爛れていたのだ。

胸、背中、太もも、ふくらはぎ、腕、あらゆるところが湿疹で真っ赤だ。

痛々しくて、見ていられなかった。

 

Hは、思春期の頃、原因不明の皮膚炎にかかり、やっとの思いで治療した経験がある。

これまでずっと発症していなかったのに、久しぶりに出たというのだ。

布が擦れるだけで痛いから、家の中ではトランクスだけ履いて過ごしているのだ。

Hのストレスが、ここまで酷いとは思わなかった。ずっとストレス続きだったのに、最愛のBOSSがいなくなり、平常心を装っていても、身体は正直だったのだろう。

私はHのあの姿を見て、ダメージを受けていない自分が、ひどい人間に思えて落ち込んだ。

 

なんて薄情な人間なんだろう。

どうして、もっと労わってあげられなかったのだろう。

 

そしてBOSSも、同じようにダメージを受けていたのだ…。

1日中、ぼんやりとベッドの枕の上で座っているだけ。

ご飯とトイレ以外は、全く動かず。

死んだような目で、にゃーとも言わなくなった。

別居したことを、BOSSに責められているようで悲しくて。

他の4匹はそれなりに、新しい部屋で楽しんでいる。

特にみつ子&みつあか親子は、はしゃぎっぱなし。

だけど、BOSSだけが取り残されたように、無表情で寝ているだけの毎日。

 

ある日、BOSSの姿が見えない。

マンションの周辺を探しても、いないのだ!

 

また?

まさか、またなの?

 

私は目の前が真っ暗になった…。

 

 

To be continued…..