念願のニューヨークで、憧れのKISSライブ。
その頃、私は33歳。
30代っていうのは、恐れを知らずに突き進む年代なのかね😅
さて、宿泊したホテルはMSGのすぐそば、ホテル ペンシルベニア ニューヨーク(Hotel Pennsylvania)。ペンシルベニア駅(Pennsylvania Station、略称:Penn Station)から300mの位置。地下鉄は、34st PennStation。
デパートの老舗・Macy’sもあるし、デリやマックもすぐ近くにあった。
ライブは、夜8:00から始まるので、それまでは観光三昧。
私は、ほとんどひとりでNYを歩いた。スケジュールを綿密に立て、行きたいところを決めて、ホテルを出る前に地図と降りる駅を手帳にメモ&記憶。ガイドブックを見ながら歩くと、狙われると思ったから。スリとか、詐欺師とか。ナイフ片手に脅されるかもしれないし。
しかし無防備だったのが、カメラだ。
ケニア旅行の時のちょっと高価な一眼レフを首から下げて歩いたのが間違いの元。どこのストリートだったか忘れたが、面白いポスターを見かけたので、パシャパシャ撮っていたら、いきなり大きな声がした。
「Hey!!!!! #¥@+€£~>< !!!!」
はっと、ファインダーから目を離すと、ホウキを持って掃除をしていたアフリカ系の中年の男性が、明らかに怒って何かまくし立てている。
私、なんかヤバいことした? え? 何?
すると、男性は私のカメラを指差して、また怒鳴りちらした!
私は怖くなって、全速力で走った!
え? 追いかけてくるよ! 何?
「Bit**h!!」
と、背後から罵声が飛んだが、もう追いかけては来なかった。
私がNYで唯一恐い経験をした出来事😱😱😱
なんだったんだよ!
ま、とにかく、私が何かヤバいものでも写してたってこと?
それ以来、私はカメラをブラブラ持ち歩くのをやめたのだ。
そのため、後半のNYの写真がほとんどない😢😢😢
さらに撮影したのにどこかにはいりこんでしまって、いまだに見つけられない。
ま、気長に探そう。なんたって、27年前の写真だから🤣
私は、NYの街をひとりブラブラ歩きながら、ふと気がついた。
ひとりになるのは、久しぶりだ。
東京に来てからずっと猫たちがいて、結婚してからはずっとHが居る。
彼が起業してからは、自宅が事務所で四六時中一緒にいる。
ひとりきりになって、ゆっくり考え事をすることもなかった。
SOHOの街はカッコいいなぁ…
あ、ガイドブックに載ってた古着屋だ。のぞいていこう。
*古着屋のArice underground は今は閉鎖中と書いてあった。淋しいね....
ここがNY University。カフェでまったり休憩。
そして、Washington square parkだ。
あ、リス! grocery store で買ったリンゴ、食べるかな…。
明日は、MOMAに行きたいな…。
ああ、私はなぜ、Hと結婚したんだろう?
にわかに、ひとりで過ごす時間が貴重なものに思えてきた。
16歳のあの日。
17歳のNが「俺の子どもを産んでほしい」と言ったのは、紛れもなく家族を作りたいという意志表示だった。そして、私もそう思った。
Hはこう言った。
「結婚とは、好きだから一緒にいたい、そんな甘いものじゃないと思っている。相手の嫌いな部分も全て受け入れる、そういうことじゃないのかな」
じゃ、私は、結婚をなんだと思っていたんだろう。
私は、Empire state building を目指して、Avenueをいくつか越える。
すると、ホテルの外観が見えてくる。
部屋に帰って、私は急いでシャワーを浴びる。
早く支度をしなくっちゃ!
夜の7:30を過ぎたというのに、NYの空は明るい。
不思議な空の色を眺めて、私はMSGのエントランスに向かって歩いていた。
To be continued....