I AM THE LOW, そして入院。
2006年4月に横須賀に引越してから、お嬢DONは高齢のために、1階の母の部屋からほとんど動かず生活するようになった。
3月1日に、20歳の誕生日を迎えたばかりだった。
恒例のピンクのウェアを着せての記念撮影。相変わらず、不本意な顔のDON😂
母は、部屋でテレビを見るか、庭の草木の世話、簡単な家事をするかくらいで、高齢猫と高齢の人間、まぁまぁ平和に過ごしていた。
とは言え、お嬢DONにとって、私の母はあとから家に来た人間、自分よりも下とみなしていた。
母の部屋はフローリングだったので、夏の間は涼しげな井草座布団の上に手ぬぐいを敷いて、DONを寝かせていた。
ある日、母が手ぬぐいを新しいものに替えていた時のことである。
お嬢DONが監視する前で、母はなるべく急いで井草座布団の上に手ぬぐいを敷こうとしていた。高齢のため、動きが遅くなっているのは仕方がないこと。DONは、ノロノロとした母の動きに剛を煮やし、
シャ〜〜〜〜〜〜っ!
と言いながら、まだ敷き終わってない手ぬぐいの上にドカドカと乗っかってきたのだ。
「ドンちゃん、まだきれいに敷けてないよ」
と、母が手ぬぐいをまっすぐにしてあげようとすると、
カァ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!
と威嚇して、母の手を引っ掻いたのである!
年を取るとせっかちになるのか、とにかくお嬢DONは母のやることに、いちいち文句をつけていたらしい。仕方ない。お嬢DONには誰も逆らえないからね😂😂😂
そんな気丈なDONが、残暑まだ厳しい頃、元気がなくなった。
寝ているだけの時間が長くなり、ぐったりしているので、つだ動物病院で診てもらうことにした。オートバイの後ろに乗せていくのは憚られたので、タクシーを呼んだ。
実は、お嬢DONはこれまで大きな病気をしたことがなく、予防注射のため1年に一回病院に行くくらいで、キャリーの中に入ることもタクシーに乗ることさえも、まったくの青天の霹靂なのである。自分の意志とは裏腹に移動することが、なによりも嫌いだった。
だからタクシーが動いている間は、これまでもか!というくらいの大声で吠える。車内がわんわんするくらいの大声だ。赤信号で止まると、ピタリと静かになる。動き出すとまた吠える。
そうして病院に着いた頃には、怒りが最高潮に達するのである。
この日、待合室で待つ間も他の犬や猫たちに、威嚇しまくっていた!
他の子たちは、DONと目を合わせないようにと、みなソワソワしていた。
お嬢DON、怖すぎる!
診察室に入って、診察台でキャリーから出た途端、院長先生に向かって、
シャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!
にゃ〜〜!
フゥ〜〜〜〜〜〜!
ものすごい威嚇だ。
「私を誰だと思ってる! 気軽に触るでない!」
先生が触診している間も、威嚇し続けている。
私は何も言うことができず(というか、言っても無駄なので)そのまま、DONの頭をなでるしかなかった。
DONの症状は、老衰のための脱水症状ということだった。
そのため毎日点滴で水分の補給が必要になり、入院治療することになったのである。
DONは皮下点滴の最中に、先生が背後にまわることが気に入らないのか、点滴の間中、ずっと振り向きざまに威嚇するのである。
おそらく、先生もいい気はしなかったのだろう。無言で淡々と点滴をしている。
そのうち威嚇しても反応がないので、今度は目の前にいる私にまで威嚇するようになった🥲
私に威嚇なんて一度もしたことなかったDONだったのに…。
DONの入院は、病院嫌いと高齢のため頑固になっていることで、心配ではあったが点滴での治療が必要だったから仕方ない。
お嬢DON、初めての入院。
DONの本意ではなかったが、元気に長生きしてもらいたい、その一心だった…。
To be continued…..