お嬢DON、自宅療養。
DONの初めての入院。
私は毎日、病院に様子を見に行った。
全盛期の頃に比べ、すっかり痩せ細ってしまったDON。それでも、狭いケージの中で、点滴のチューブをぐるぐる絡ませて、私の顔を見ると嬉しそうに可愛い声で鳴く。
「にゃ〜ん」
「ドンちゃ〜ん、ママだよ〜」
先生はケージの扉を開けて抱っこできるようにしてくれる。
私は、DONの両脇に手を入れて、ケージから出そうと、思いっきり上に持ち上げた。
その時だ!
ケージの天井にDONの頭を、ゴツんと思い切りぶつけた!
「シャ〜〜〜〜〜〜!」
(なにやってんねん!)
「フゥ〜〜〜〜〜〜!」
(どついてどないすねん!)
「ごめんごめんごめん、痛かったね」
*DONの威嚇は、なぜか大阪弁に聞こえる🤣その理由はコレだ。この漫画の顔と、お嬢DONが似てる。「動物のお医者さん」の中のミケは、大阪弁で話すのである。
怒りながらも、私に抱っこされて嬉しそうにしがみついてくる。
気丈なお嬢DONと言えども、こんな狭いところで一人きり、不安だよね。
舎弟1のみつ子も、舎弟2の母もいないし🤣
DONは2週間で一旦、退院することにして、通院で点滴することになった。
退院の日。
DONは寝たきり状態で手足がのびているので、入院する時に入っていたキャリーに収まらなかった。
それで、病院のダンボールに入れて、タクシーで帰ることにした。
ちなみにこのダンボールは、病院で亡くなった子を入れるためのダンボールである!
私はタクシーに乗ってから、DONに話しかけた。
「ごめんね、ドンちゃん。こんなダンボールに入れちゃって。でも、入らないから仕方ないよ。ちょっとの辛抱だ」
すると、タクシーの運転手さんが言った。
「おさびしいですね。うちはシーズーだったんですけど、先日ね、逝っちゃいました。動物だって家族同然ですから…。その子は、おいくつだったんですか?」
「はぁ…。うちの子は20歳です」
「いやぁ、それは大往生でしたね!」
「えっと…、うちの子はまだ生きてるんですけど…」
「え! 申し訳ありません! ダンボールに入ってるから、てっきり…」
まったく😡 縁起でもない!
こんなダンボールに入って、しかも、ドンちゃんがシーンとしてるから!
いつもだったら大騒ぎするのに。
それから、私は、DONから目を離さないうようにと、1階の母の部屋にiMacを運んで、1階で仕事をすることにした。
母は2階で寝てもらうことにしたのだ。
そして、1日中DONの世話をすることにした。
DONの脚は、ほとんど動かせなかったが、でも気分のいい日は歩こうと自分でリハビリをするほどのエネルギーがあったのだ!
排便は寝たままで、でも、シートが汚れてもすぐに替えてあげるので清潔だった。
ご飯は、スプーンで食べさせた。
DONはこれが大のお気に入り。
首周りに、前掛けのようにティッシュを巻くと、これがご飯の合図。
条件反射的に、DONは目をキラキラさせて、舌なめずりする。
「ごはんだ! ごはんだ!」
と言ってるようで、可愛くてしかたなかった☺️☺️☺️
スープタイプのフードなので、スプーンですくって口元に運ぶ。
すると、上手にピチャピチャと食べるのである。
当時、まだ発売されたばかりだったモンプチのスープタイプ。
食が細くなったDONには、ちょうどいい量だった。
こうして私は、DONをタクシーで病院へ行き、点滴をしてもらって帰る。
家に帰れば、1階で過ごすという生活に変わった。
みつ子も一人で2階にいるのが寂しいのか、1階にいるようになり、私と猫2匹で母の部屋を占拠してしまった。
みつ子は、寝たきりになったDONにほとんど近づかなかったが、時々、なぜかDONの目の前を意味もなく、小走りで通り過ぎる🤣🤣🤣
それを見る、DONのするどい視線!
寝たきりになったと言えども、DONの厳しい目は、常にみつ子の行動を監視していた。
みつ子も、叱られないと寂しいのか、わざと叱られるようなことをしていたような気がする。
おばけのスー第2弾の制作と同時進行でDONの介護。
明けて2007年。
DONが、この冬を越せるかどうか…。
それだけが心配の毎日だった…。
To be continued…