2012年のみつ子
みつ子はひとりっ子になってから、問題行動を起こさないおとなしくて良い子になった。「良い子」という表現が人間本意で、みつ子にとっては不本意であるかもしれないが🤣
それと19歳という高齢になったことで、のんびりと過ごすようになったのかもしれない。
あいかわらず、母が食事の支度で台所に立つとしつこくまつわりついてねだるので、母は塩分には気をつけて与えるようにしていたらしい。
そんなこともあって私の部屋にいるよりも、母の部屋で監視する時間が長くなった。
とにかく母の食べるものを横取りしようと、そこだけに神経を集中させていたようである🤣
母も母でいろんなものを与えていたようだ。長男TSUNが塩分の取りすぎで腎臓が悪くなってしまったことはわかっていたので、塩分には気をつけていたけれどね。
ある日、私がスーパーで買ってきたお惣菜のヒレカツを夕飯にした時のことだ。
電子レンジでヒレカツを温めていると、ぷ〜んといい香りが台所中に広がった。
みつ子が、これに反応しないわけがなく、大騒ぎだ。
もちろん、みつ子のターゲットは母である。
大騒ぎで母の足首にまで噛み付く始末。
「もう、わかったわかった。あげるから待ってなさいよ」
え？ ヒレカツを食べさせるのか？
母は、ヒレカツの衣を丁寧に剥がして、お肉と衣にわけている。
どうするのかと見ていると、みつ子用のお皿にお肉だけのヒレカツを細かくちぎって、並べているのだ。母の皿にはヒレカツ２切と衣だけ。
そして、母とみつ子は並んでヒレカツを食べているのである。
「え〜？ヒレカツ食べちゃったの？」
みつ子を見ると、満足げな顔で口の周りをグルーミングしているのである。
まったく、猫が豚肉を食べるなんて、聞いたことがない。
大丈夫なのか？と思ったが、その後、みつ子の体調は問題なく、元気にすごしていた。
とにかく、人間が食べるものには異常な執着心を持っていたみつ子は、やはり小さい頃に野良猫だったことが原因なのか。
LANAも同じように、母から何でももらって食べていたし、冷蔵庫を一緒になって覗いていたし。やはり子どもの頃の経験は、ずっと残っているものなのだと改めて思ったものだ。
お嬢DONが生きていた頃には、そんなそぶりを全く見せなかったみつ子。
DONが居なくなって、天下泰平になっちゃったんだね。
母を監視し、台所にはりつき、母の食べるものをゲットしていたみつ子と、舎弟のようにいいなりになっている母。
二人の関係は、なんだか不思議な絆で結ばれていたように思う。
私には絶対にねだることはなかったんだからね、ほ〜んと猫って人を見る目があるね〜😆
To be continued…..
