I LOVE MY LIFE −猫とROCKと愛の日々−

2022年11月から1年に渡って還暦ブログをほぼ毎日更新、2023年11月からは海外ドラマ「Kommissar REX」そして、REXドラマの🇨🇦版/🇮🇹版のレビュー記事。それ以前は海外ドラマ「Kommissar Rex」全編のレビュー記事です。

Believe 船橋編⑩

 

2003年2月12日。

LANA永眠。推定 12歳。

 


LANAとの別れは唐突に突然やってきた。

その日まで、元気に食べていたのに。

そんな素ぶりをこれっぽっちも感じさせなかったのに。

静かな冬の夜、別れは突然やってきたのである。

 


LANAの大腸癌は、2002年11月の手術で癌腫瘍を切除できず、森下動物病院の院長先生の見立てで、漢方薬での治療に決まった。

思った以上の効果があり、LANAは元気な頃と変わりないほど何でも食べられるようになり、嘔吐も下痢もしなくなったのだ。

 


明けて2003年、冬の寒さから時々風邪をひくようになったが、回復するといつものようにモリモリと食べる。

このままLANAはすっかり完治するものだと信じていた。

 


2月10日

寒い日だった。

少し元気がないLANAを、お嬢DONとみつ子は囲むように真ん中にして、ストーブの前でまったりしていた。食欲はなかったが、嘔吐をすることはなかった。

この日は定期検診の日だったが、病院に電話して延期してもらうことにした。

 


2月11日

体調は回復に向かってご飯を食べられるようになった。

午後にはいつものLANAに戻っていた。

祝日だったのでLANAと一緒にいることができ、LANAも嬉しそうだった。

夜になり底冷えがしてきたので、私はLANAを2階の部屋に運んで一緒に寝ることにしたのだ。

すでに階段の登り降りは危なかったので、1階の母の部屋で過ごすのが常だった。

ご飯もトイレも1階で安心だったし。

しかしあまりに寒かったので、母に任せておけないと直感したのである。

LANAのベッドを作って、すぐそばに寝かせた。

私はLANAの様子を見ながら、なかなか寝付けなかった。

 


何時頃だったか、うとうとした頃。

突然、ゲホっゲホっと咳き込む声がして、私は飛び起きた。

 


「ラナ! どうした? 大丈夫か?」

 


私は部屋の電気を付けて、LANAを抱き上げた。

LANAはゼェ〜ゼェ〜言って、苦しそうにしていた。

 


「よしよし、大丈夫、大丈夫」

 


抱っこしながら、LANAの背中をさすった。

 


LANAの身体から、少しずつ力が抜けていくのを感じて、私は叫んだ。

 


「ラナ? ラナ! ラナ!」

 


シンとした空気の中で、LANAは静かに息を引きとった。

深夜3時を回っていた。

ただただ、静かな夜だった。

 


外が明るくなるまで何をどうしていたのか、まるで記憶にない。

 

 

私は、森下動物病院に電話をして、LANAが亡くなった状況を伝えた。

院長先生は、驚いて言った。

 


「え? 苦しんだのは15分くらいだったんですか? 信じられません。この病気の最後は、可愛そうなくらい苦しんで大変な状態で亡くなるのが普通なのに、静かに亡くなったんですか…。奇跡ですね…」

 

 

そうなのだ。

LANAが苦しんだのは、ほんの一瞬だった。

まるで光に導かれるように旅立ったのだ。

 

 

今、確かに思う。

LANAの12年間は、幸せだったに違いない。

そして、それ以上に私たちに幸せを与えてくれた。

悲惨な最後を見せることなく、元気な姿のまま、一瞬にして旅立った。

 


江戸っ子LANA。

サビ猫LANA。

たくさんの愛をありがとう。

また、会える日まで。

 

 

 

To be continued .....