2002年10月。
森下動物病院で診察を受けてから、LANAの病状は一進一退を繰り返していた。
北海道大学のLaboに検査の依頼をするなど、院長先生はあらゆる手段でLANAの病気を探っていた。
原因不明の嘔吐、さらには下痢をするようになってしまい、食欲も落ちていく。
あの、食いしん坊のLANAが何も食べられず、私は薬を飲ませる毎日。
冬に向かっていく季節とともに、心まで寒々しくなった。
お嬢DONとみつ子の態度にも変化が現れ始めた。
LANAいじめがお約束だったみつ子が、いじめをピタリとやめたのである。
お嬢DONは、食前の儀式のパンチをやめた。LANAとの接し方があきらかに変わったのだ。
石油ストーブをつける季節になると、場所の取り合いが恒例だ。
真ん前に陣取るのはお嬢DON、その横はLANAとみつ子で争奪戦であった。
LANAが体力的に争奪戦に参加できなくなってからは、ストーブの前はDONとみつ子がぴったり寄り添って寝るようになった。
ところがLANAは2匹の間にぶにゅ〜〜〜っと、無理矢理ねじ込んでいった。
あああ! ラナ、やめなさい!
お嬢DONのパンチが飛ぶ…私はLANAを抱き上げようとしたのだが、
2匹は何事もなかったように、LANAを真ん中に寝させたのである。
これまで見たことのない風景。
DON、LANA、みつ子がストーブの前でくっついて寝ているのである。
ありえない!
こんなこと初めてだった。
仲の悪いみつ子とくっついて寝るなんて。
DONもみつ子もLANAの病状を理解して労わっている。
長年、一緒に暮らしてきた家族なんだ。
DONはLANAに一目置いていたので当然の態度とは思ったが、みつ子には驚くしかなかった。顔をみればケンカをしていた2匹だったのに。
秋も深まり、LANAの診察の日。
この日、ようやく病名が判明した。
大腸ガンだった。
私は、目の前が真っ暗になってしまい、先生が何かを説明していたのだが、覚えていない。いつものように丁寧に詳しく説明してくれていたのに、覚えていない。
食いしん坊LANA。
一番かかりたくなかった病気だよね。
いっぱい美味しいもの食べたいのに。
そして、手術をすることに。
がん細胞を切除し、その部分を繋ぐという手術。
平日午後の外来診察が終わってから、夜9時頃というスケジュールが決まった。
とにかく、手術が成功することを信じるしかない。
私とLANAは、ここまで🐭ねずみ先生(院長先生)を信じてがんばってきた。
そうだ!
手術が終わったら、
また美味しいものいっぱい食べられるよ。
ね、LANA!
To be continued......