I LOVE MY LIFE −猫とROCKと愛の日々−

2022年11月から1年に渡って還暦ブログをほぼ毎日更新、2023年11月からは海外ドラマ「Kommissar REX」そして、REXドラマの🇨🇦版/🇮🇹版のレビュー記事。それ以前は海外ドラマ「Kommissar Rex」全編のレビュー記事です。

Edge of Sixteen 80年代ROCKと青春 完結編①


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Edge of Sixteen のタイトルをもらったEdge of Seventeen は、1982年にリリースされたStevie Nicksの大ヒット曲。この曲の世界観は私を16歳に引き戻し、17歳のNと対峙させた。

 


印象的なリフ、

Just like the white winged dove

Sings a song Sounds like she's singin'

 Whoo-whoo-whoo

は、暗い森の中を真っ白な鳩が希望に向かって飛んでいくイメージ…。

あの頃、私とNは必死に羽ばたこうとしていた。

 

そろそろ私とNのストーリーも終盤。最後はしつこくなっちゃうから😭2回に分けてアップします!

 

1980年の春、暗闇の中でNとY子の帰りを待つ私は、もう後には引けない、その一心で震えながら待っていた。

遠くから人影が見えた。

 

Nだ。

 

N「おい! 何してんだ、どうした? 大丈夫か?」

Nは血相を変えて私のそばに駆け寄った。

寒くて凍えて歯がガチガチ震えて、涙で前が見えなくなった。


N「待ってろ、ちょっとアイツに話してくるから」

Nは、少し離れてタバコを吸ってるY子に何かを話すと、Y子はアパートの部屋に入って行った。

 

N「いつからここに居た?」

私「10時くらいから」

N「4時間もここに座ってたのか」

私「……。」

N「腹減ったろ?この近くに朝までやってる居酒屋があるから、行こう。俺も腹減ってるし。な?」

 

私は、うん、とうなづいてNの後ろを歩いた。

その広い背中を見ながら、彼がなぜ私に何も言わずに姿を消したのか、わかったような気がした。

彼の、こうと決めたら曲げない性格、一心に貫く精神力を私は知っていた。

だからあの日、あの2月にH先生に引き裂かれた悲しい日から、二度と私には会わないと決めたに違いない。

私のために貫いたことが崩れてしまった以上、私から離れるしか方法を見つけられなかったのだ。

 

居酒屋はカウンターだけの狭い場所で、私たち2人をみんなが席を譲りながら座らせてくれた。

N「ビールくらい飲めるだろ?」

私「うん」

Nはつまみを適当に注文してから、コップにビールを注いだ。

 

N「なぁ、ごめんな。こんなことになって。もう、俺なんかと一緒に居ない方がいいんだよ。わかるだろ?」

私「わかんない!だって、一緒に暮らそうって言ったじゃない!」

N「それは俺がちゃんと卒業して、お前が大学行って、その時の話で、もう、ダメなんだ」

「……あの人のこと、好きなの?」

N「アイツはどうでもいいんだ。俺がまだアパートかりられねぇからさ、世話になってるだけだから」


Nは、カラオケ歌おうと言って、マスターに曲を注文した。演歌のイントロ、Nはマイクを持って歌い出す。

 

N「お前は2番歌えよ!」

 

そう言って私にマイクを渡す。何の歌だったか、さっぱり思い出せない。

Nはやたら明るくて、ちょっと酔っぱらって上機嫌だった。

 


居酒屋から出ると、すでにうっすら明るくなっていた。アパートのドアを開けるとY子はいなかった。部屋の壁ぎわのセミダブルのベッドに

 

N「ここで寝な。俺はあっちで寝るから」

 

やっとの思いで会えたのに、何一つ納得できていない。Nの言葉に一片の真実も感じられない。こんな気持ちで寝られるわけがなかった。

 

私「寒い。こっちにきてよ。ねぇ、寒いよー」


私は大声で叫んだ。


N「しょうがねぇな。子どもみたいなこと言って。今日だけだぞ」

 

Nはベッドに入って、私を抱きしめた…。

私は少し眠って、昼前にはアパートを出た。

Nは、階段を降りて私を見送ってくれた。

 

 

サヨナラ。

ゴメンね…

 

 

To be continued….