I LOVE MY LIFE −猫とROCKと愛の日々−

2022年11月から1年に渡って還暦ブログをほぼ毎日更新、2023年11月からは海外ドラマ「Kommissar REX」そして、REXドラマの🇨🇦版/🇮🇹版のレビュー記事。それ以前は海外ドラマ「Kommissar Rex」全編のレビュー記事です。

☆Catwalk 2 BOSS編

武勇伝その1

猫がテーマのコラムの第2回、今日は次男BOSSのお話。

BOSSという猫。

変わった猫だった。

Cats’n’Rock 新小岩編のLANA子育ての記事でも紹介したが、猫らしくない猫だったな。

 

 

neocats.hatenablog.com

 

BOSSは、麻布の赤羽橋で生まれた超都会っ子だ。

猫好きの居酒屋で大事に育てられ、BOSSの両親(シロくんとタヌキ)、兄弟(トラ、クロ)と共に、居酒屋で3ヶ月間暮らした。愛情に恵まれた坊ちゃんだ。

三つ子の魂百までとはよく言ったもので、大らかで純真そのもの、天使のような猫だった。猫や人間を区別することなく、誰にでも友好的、誰にでも愛された。

 

私はBOSSを自慢したい衝動に駆られたのだろう。

BOSSがまだ6か月くらいの子猫のとき、バイト先の六本木ジャズバーのお花見会に連れて行ったのである。

 

場所は代々木公園。

 

私はBOSSを籐籠に入れてお弁当も持参。

だだっ広い芝生の上で、籐籠を開けてみんなに見せた。

子犬のように、みんなと戯れて遊んでくれると思ったのだ。

 

わぁーかわいい❤️

 

見ず知らずの人間たちに、覗き込まれたBOSSは生きた心地がしなかったはず。

籠を開けた途端に、BOSSは一目散に走り出した!

尻尾を下げて、匍匐前進をするように、全速力で森の中へ走り去ってしまったのである!

 

私は動揺した。

しかし、一緒にいた同僚たちは、BOSSが走り去る姿を見て、大声で笑った。

私は、同僚たちの手前、花見を抜け出してBOSSを探しにいくことを躊躇した。

花見で盛り上がってるところに、水を差すような気になったからである。

本来ならもっと早く探しにいくべきだったのに。

 

私は泣きそうだった。

そうだ!まずは、交番だ!

 

「あの、白くてこのくらいの子猫なんです、1時間くらい前に迷子になって」

 

「ああ、そう。まず難しいね。カラスに襲われて、結構死んでるんだよ。ほら、猫の目はビー玉にみたいにキラキラしてるでしょ。カラスはキラキラしたものが好きで、猫の目を狙うんだよね。このあたりの野良猫も結構やられてるんだよ」

 

は?カラス?

え……。カラスにやられるって。

そんな…。

 

私はますます不安になり、泣きそうになる。

 

ボス〜ボス〜ボス君〜。

 

私は大声で叫びながら、森の中、生垣の下、山の斜面に分け入ったりして必死で探した。

あ、ベンチに座ったホームレスのような男性がいる。聞いてみよう!

あの、このくらいの小さい白い猫で、青い首輪してるんです。見ませんでしたか?」

いや、この辺には野良猫はたくさんいるけど、白い猫は見てないな」

私は、代々木公園をくまなく探して、ほぼ1周した。

何時間かかったのか。そろそろ暮れかかってきていたから、3時間くらいは探していたのだろうか。

やがて、あのホームレスのおじさんがいるところに戻ってきた時のことだ。

 

「お姉さん、お姉さん! いたよ、いた! 野良猫たちと一緒にご飯を食べてさ、みんなと一緒にあっちの方へ行ったんだよ。お姉さんが帰ってくるの、ずっと待ってたんだよ」

 

え〜〜〜〜! 野良猫と一緒にあっちへ?」

 

私はBOSSのために持ってきたカリカリご飯を入れたお茶碗を見た。すっかり食べてある!

ボス、ボス、どこへ行っちゃったんだよ!

私はおじさんがあっちへ行ったという方に走り出した。

 

すると…。

 

遠くに、野良猫の集団、5匹くらい。

その中に一点、白く動くものが見えた!

 

ボス〜〜〜〜、

ボスく〜〜〜〜ん!

 

私の叫びに、その白いものがピタリと止まった。

 

ボス〜〜〜〜!

にゃ〜〜ん!

 

BOSSだ! 私にむかって、一心不乱に走ってくる!

 

にゃ〜〜ん!

 

BOSSは私に甘えてすりすりとする。

よかったよかった。

私は大声で泣いた。

 

おじさんがそばにきて

「よかったね。俺ひとりじゃどうしようもできないからさ、よかったよ」

 

BOSSは、ふっと野良猫たちの方に振り返った。

野良猫たちは、遠く離れたところからこちらを見ていた。

BOSSは、野良猫たちに向かって

 

にゃっ! 

 

と一言鳴いて、籐籠の中に入った。

これは作り話でも何でもない。ノンフィクションである。

猫同士の会話では声を出さないというのは知っている。

だがあの時、確かにBOSSは、野良猫たちに「またね!」とでも言うように、「にゃっ!」と言った。

 

野良猫たちと一緒に歩いていたBOSS。

ほんの数時間で、あの野良猫たちとどうやって仲間になったんだろう。

信じられない話。

でも本当の話である。

 

BOSS。

お前はどこから来たの?

私に何かを教えるために来たの?

天使のような猫だったね、BOSS✨