I LOVE MY LIFE −猫とROCKと愛の日々−

2022年11月から1年に渡って還暦ブログをほぼ毎日更新、2023年11月からは海外ドラマ「Kommissar REX」そして、REXドラマの🇨🇦版/🇮🇹版のレビュー記事。それ以前は海外ドラマ「Kommissar Rex」全編のレビュー記事です。

Give me fuel 教習所日記 Final Ep.2

 

近くて遠い、最後の一歩。


最後の教習と気合いを入れてきたのに、大雨。雨は視界も悪いし滑るので、バイク運転は怖い。弱気になっている私の前に現れたのは、いつもと違って、若いM指導員。
M指導員の厳しい言葉に、私は自信を無くし意気消沈していた…。

 

neocats.hatenablog.com

 

激しい雨の中で、M指導員は挑むように言った。

 

「そんなにナナハンが怖いんだったら、小型で練習しましょう!」

「はい、乗って!」

 

私は、言われるまま、M指導員がもってきた125ccのバイクに乗って教習を受けた。
雨に慣れたところで、400ccに乗り換えて、さらにコースを練習。
M指導員は合図や確認の位置などを丁寧に指導してくれた。
 
 ここに通ってきた8ヶ月。
 夏、秋、そして冬。
 いろんな出来事が走馬燈のように頭をグルグルと駆けめぐった。
 雨は容赦なく降り続き、コースには水たまりができていた。

 

そして教習2時間目。

「どうですか? 大きいのでやりますか? M指導員も大丈夫そうだって言ってたけど」

「はい! 大丈夫です」

 

私はCB750にまたがった。
1時間前の恐怖感は、もうない。

雨の教習で、私は125CC、400CC、750CC と3種のオートバイで練習した。
これは、教習所だからこそできる練習だったと思う。
あれだけ怖かった750CCが、実は雨の中では一番安定していることがわかったのだ。
125CCの車体の軽さは、言い換えれば危うい重さなのである。
雨で滑る恐怖感は私だけではなく、オートバイに乗る人間なら誰でも経験があるはず。
だからこそ、雨の中での教習がどれだけ大切だったかを、実感したのである。

この日、またしても最後のハンコをもらえず、あと1時間の教習に賭けることにした。

 

 

2006年3月5日。
待ちに待った最後のハンコをもらうために、私はウキウキしてコースに向かった。
先週の大雨の中の練習で、少し自信がついたように思っていた……。
なのに、何だか調子が悪い。
内周のカーブが大回りになってしまってぎこちない。
たった1週間しか経っていないのに、どうしたことだろう…。

この日は、大好きなA指導員だったので、ほっとしたのか、気がゆるんだのか、甘えが出てしまうのか、いつになくクランクがうまくいかない。どうしてもパイロンを倒してしまう。
クランクがどうしても上達しないのである。
うまくいかない理由はわかっているし、それを改善すればいいだけなのに、それができない。この日もクランクばかり練習して終わった……。

 

「う〜ん、これじゃハンコ押せないな…」

 

とA指導員は言ったが、もう日がないことに気づいて、

 

「今日はね、ハンコ押しとくから。これで一応、卒検受ける期限が延びるから。でもあと2時間くらい自由練習して卒検受けること! わかった?」

 

私は、またもや泣いていた。涙がどっと溢れてきた。
悲しいのではなく、悔しいのではなく、一気に感情が入り交じり涙が止まらなくなったのである。

 

「大丈夫! すぐにうまく乗れるようになるから。ね! みんな最初はそうなんだから。バイクは友だちなんだから。きっとうまく乗れるようになるって! がんばってよ!」

 

あそこに鳥が…、なんて言ってるわけないよね🤣🤣

 

補習2時間受けることを前提に、タイムリミットギリギリでもらった見きわめ合格のハンコ。

 

最後だ、最後だ、と言い続いけて何ヶ月経ったのか。
ようやく、卒業検定のゴールが見えてきたのである。

 


To be continued….