初ゴケ、そして泣く…。
2005年6月からスタートした、大型自動二輪免許取得のための教習。初日の「サイドスタンド外して乗車」の謎は、2日目の教習時の指導員が説いてくれた。
**************
「ところで原田さん、サイドスタンドを出したまま、またがる方法が危険なのは、なぜだかわかりますか?」
「はい。サイドスタンドを出したまま走ってしまうことがあるからです」
「そうですね。大変危険です。命に関わります。ちょっと前にも白バイに乗っていた警官が事故を起こして亡くなりました」
「……。」
「だから、教習所ではサイドスタンドをはらって乗車することを教えているわけです」
****************
サイドスタンドは左側についている。重いオートバイを鉄の棒一本で支えるのだから屈強なシロモノだ。これを外すのを忘れて走り出して、左折をしたらどうなるか? オートバイのカーブは車体を倒してカーブする。サイドスタンドが道路にぶつかりバランスを崩して倒れる。スピードが出ていればなおのこと、命に関わるのである。
こうして、私は順調に教習を続けた。
中型免許取得時の教習では必須ではなかった、波状路というのがある。電車の線路状の連続したガタボコを低速で走る練習である。
これは悪路を走る際の練習で、非常に難しい。もちろん、初体験。
とにかく怖い。
なんせ激しくガタボコなのだから。
しかしコツがある。
ステップに立ち上がり、膝の屈伸を利用して、腰の位置は常に一定に保てば、体は上下しない。しかし、膝が伸びた状態ではモロに凸凹が伝わり、バランスを崩す。
案の定、私はコケた。
しかも激しくコケて、膝を強打😢😢😢
しかし、根性が座ってきたのか、
大丈夫です!
と激痛を我慢して教習を続けた。
努力の甲斐あり、今ではステップに立って運転するのが楽しくなった😅
しかし…。
最も苦手だったのは、クランク。
短い距離で直角に曲がる走行である。
一旦停止からの左折も苦手で、とにかく小さくカーブすることができない。
苦手を克服をしたいのは山々だが、どうしてもCB750の重みに負けて、アクセルをあけることができない。
この日もその苦手意識が全面に出た。
バランスを崩した瞬間に一気に転んだ。
CB750が倒れたら、起こさなければいけない。
コケて動揺している気持ちで、重いオートバイを起こす。
だからこそ、あの最初の儀式(引き起こし)が必要なのだ。
その一部始終をカメラマン伊勢氏が捉えていた。
自分の不甲斐なさが悔しくて、オートバイに跨ったまま泣いている。
私は何を求めて、悔しくて泣いてまでして、大型自動二輪免許を取りたいと思ったのだろう。
あの、一心不乱に通った教習所で、最終的に私が得たもの。
それはなんだったのか?
当時はそれを知る術もなかった…。
To be continued….