落ち込む日々…
2006年1月8日にあと2時間乗れば教習終了、晴れて卒業検定のGOサインをもらうはずだった。
ところがまたもや教習所に行けない日々が続き、教習を受けたのは、2月18日。
「原田さ〜ん、今日はさ、見極め教習なんだけど、どう? 乗れる?」
「ダメですね。全然ダメだと思います」
これまでの経験上、1ヶ月以上ブランクがあると身につけた技術は、半分に減っている。よって、前回の教習であと2時間だったのが、私の場合、あと3時間以上の教習が必要ってわけ。苦手なクランクが全くできず、結局、この日の教習はクランクばっかり😂
教習が終わって、指導員が教習原簿を書きながら言った。
「3月8日までに教習終わらないとまずいんだけど、僕が思うに、あと20時間は乗らないと合格できないね」
「え? 20時間!」
「そう、そのくらいの気持ちでやらないと、無理!」
渡された教習原簿の指導員コメント欄を見ると……
『全然、できていません』の一言が…
全く落ち込むよね〜。
大人になってから、こんなに落ち込んだのって初めてかもしれない。
全然ダメって、真っ正面から言われたの、久しぶりだもん〜。
そして気持ちを入れ替え、次の週の日曜日に2時間の教習を入れて、なんとか3月8日までに終了サインをもらうぞ!
2月26日。
私は、この日が最後という気持ちで教習に臨んだのだが、なんと大雨⛈️。
雨は怖い。滑るし、視界が悪い。
しかしもう、四の五の言ってる場合では無いのだ!
私はびしょぬれになり教習所に到着。
カッパを着たまま待合所へ。
雨は本降りになっていた。
この日はM指導員。さっそくエンジンをかけるが、何だか変な音がする。
「何か、音が変なんですけど」
「エンジンが温まってないから、チョーク」
「へ? チョーク?」
「チョーク知らないんですか!?」
「いや、知ってますけど……、どうやるんですか?」
「これ!」
「あ〜、これですか? チョークね……」
大雨で凹んでるのに、追い討ちをかけるようなM指導員の厳しい言葉。
チョークなんて、触ったことなかったし。
で、これ、いつになったら戻せばいいの?
私はアホっぽくじっとタコメーターを眺めていた。
すると、M指導員が厳しい顔で近づいてきた。
「何やってるんですか! もう教習は始まってるんですよ!」
「えっ? だってこれ。あの、これ、チョーク、どうしたらいいんですか?」
「エンジンが温まったら、戻せばいいんです!!」
「あの、走っていいんですか?」
私は走りながらチョークを戻した。
その瞬間、ガクッと車体がよろけた。
初っぱなから嫌な予感…。
M指導員、めちゃくちゃ怖いんですけど….。
オロオロする私に、イライラしながらM指導員は言う。
「最初に2コースを走ります、はい、どうぞ!」
私は、よろよろと一旦停止し、右折した。すると…、
プップップー!!
「止まって止まって!」
私は、驚いてブレーキをかけて振り向いた。
「そんな右折はないでしょ! 今の原田さんのは、ノロノロといい加減にまわっただけです! 右折というのはカーブの中心を通ってしっかり加速しなければいけません! ではもう一度! Uターンして!」
「Uターン……」
M指導員の厳しさと、大雨と、Uターンの恐怖で、私はそこから動けなくなってしまった。
「何やってるんですか! 早くUターンして!」
「あの、あの、できません! 雨が降ってて、滑りそうで恐くて、Uターンできません!」
私は半べそをかきながら叫んだ。
すると、M指導員は、半ば呆れ顔で大声で言った。
「じゃ、小さいバイクでやりますか?」
………小さいバイクって? え? 125ccのこと?
私はポカンとして、M指導員の顔を眺めた。
雨はさらにひどくなり、ヘルメットの縁からポタポタと雨が滴っていた…。
To be continued …..