REXシーズン1 #11
第11話「祝福を求めて」
Der erste Preis(原題)
さぁ終盤に入ったシーズン1。
REXは刑事犬として貫禄がついてきたというか、この頃から自分で判断して捜査するようになっていた。
モーザーの指示よりも、自分の判断優先というか…。
ファンとしては頼もしい限りだが、同時にハラハラする場面も増えたのよ…。
事件は、ウィーン郊外の静かな川の畔で少女の絞殺死体発見から始まる。
いつものように、REX&モーザーの楽しい朝の風景に、今回はシュトッキーも参加(笑)。
モーザーの車が故障して修理中なので、シュトッキーがお迎えに来るのだ。
朝寝坊のモーザーは、のんびり朝風呂。
しかも歌まで歌って上機嫌だ~。
すると、ドアの前に座ってたREXが「うん?」と言って玄関に走っていく。
ドアノブにはREX専用の紐が装着されて、紐を引っ張るとドアが開く仕組み。
REXはシュトッキーを見つけると。全速力で接近してコートの袖をくわえて嫌がらせ~。
とにかくシュトッキーを見ると、いじめたいという衝動にかられるらしい(いじわるだな~)。
上機嫌のモーザー、風呂場からシュトッキーにコーヒーの指示。偉っそうなのよ、モーザーって…。
私はこの二人の関係がとても好きだ。シュトッキーはブーブー文句を言いながらも、モーザーを上司として尊敬してるし、礼儀正しい。友だちのようで、わきまえてる。
二人の関係は見ていて、とても気持ちいいのだ。
さて、のほほんとした朝の風景はヘララーの電話で一変。3人は殺人現場に急行した。
少女絞殺事件の捜査は難航していた。
殺人課には重い空気が流れ、いらつくモーザーに、珍しく声を荒げるシュトッキー。
二人の言い争いに耐えかねたのか、REXが「クゥ~ン」と悲しそうな声でモーザーの手をペロっと舐める。ハッとして振り向くモーザー。動物は一緒にいる人の気持ちに敏感だよね。
私も経験あるけど、ケンカしたりすると「もう、やめようよ~」ってなだめにくるんだな。
その瞬間、トゲトゲした心がゆっくり収まっていくんだよね…。
次の朝、行方不明になった娘を捜す母親が殺人課に来る。
その子は前日、ピアノコンクールで優勝した喜びを誰かに伝えに行ったまま行方不明になっていた。
絞殺された少女もピアノのコンサートに出かけてから足取りが消えていた。
二人は同じ音楽教師にピアノを習っていたことが、判明したのだ…。
音楽教師の尋問と家宅捜査をする警察。
モーザーたちは、この音楽教師を犯人と確信し、行方不明になっている少女の居所を追求する。
しかし音楽教師は頑なに否認。モーザーとシュトッキーは音楽教師のアパートの地下倉庫を発見し、捜査を開始する。
この地下倉庫っていうのが、驚きだったね~。
地下3階って言ってるんだけど、まるで迷路のようになってるわけよ。
「この地下通路はシュテファン大聖堂まで続いてるらしいぞ。行ってみるか?」
とモーザーがシュトッキーに言うと、
「観光地なんか興味ないね」
と切り捨てるシュトッキー。ウィーン育ちにとっては、ごく当たり前の風景ってことか~。羨ましい!
しかしこの地下通路、戦争の名残かな? 後で調べておきましょう!
さぁ、ここからはREXの本領発揮ですね~。
暗い地下道を、証拠を追ってどんどん進む。モーザーの「待て」という声に耳も貸さない。
犬の本能というのか、危険が迫っている誰かを助けなければという刑事犬の使命感なのか。
どんどん奥へと走っていくのだが…その時!
地下通路の上を走る地下鉄の振動で、地下の壁面が崩れ落ちてきたのだ!
激しい音を立てて、壁や倉庫の荷物の下敷きになるREX!
「REX、REX、大丈夫か? 立てるか?」
ふらっとしながら立ち上がるREX(こういう演技がうまいのよ。真に迫った演技力)。
モーザーはREXを抱きしめるが、ほっとしたのもつかの間、そこには行方不明になっていた少女が息絶えていた。
この後、どんでん返しで真犯人が見つかるんだけどね。
今回のエピソードは、突っ走るREXが負傷、取り乱すモーザーの悲壮感、冷静さを失うシュトッキー、出演者たちの力演で真犯人の印象がうす~くなってしまったのよ。動機の描き方も弱いしね…。
犯人は著名なピアニストで、二人の少女は彼のファンだった。で、ピアニストは彼女たちに迫ったんだけど、抵抗されて殺してしまった、というのが真相。
REXの迫真の演技だけで、大満足のエピソードでした!