I LOVE MY LIFE −猫とROCKと愛の日々−

2022年11月から1年に渡って還暦ブログをほぼ毎日更新、2023年11月からは海外ドラマ「Kommissar REX」そして、REXドラマの🇨🇦版/🇮🇹版のレビュー記事。それ以前は海外ドラマ「Kommissar Rex」全編のレビュー記事です。

愛ってなんだ? 70年代少女漫画に学ぶ⑤

(c)里中プロダクション



愛の時代 

里中満智子

1976年 週刊少女フレンド(講談社) 連載

 

私はこのマンガを、Kindle Unlimitedで偶然見つけた。誌面に描かれる時代背景が非常に懐かしくて、のめり込んでしまったのである。置き去りにされてしまった希望という感覚が蘇るような…確かに私にはこのマンガのようなキラキラした青春時代の記憶がある。そんな懐かしい風景…。

 

物語は、主人公・由希と彼女を取り巻く三人の男たちが、三者三様の愛を由希にぶつけ、それに翻弄される彼女と男たちが、最終的に愛とは何かを掴んでいく。バラバラだった独りよがりの愛の解釈が、終盤、一つの光に向かう感じが清々しくて、聖書の一節を思い起こし、胸が熱くなった。

 

由希は、大手アパレルメーカー『コスモ』の社長兼トップデザイナーの父とその愛人の間に生まれた娘。父は月一しか来ないが、由希は両親の愛情をいっぱい受けて育つ。「妾の娘」と同級生や近所の住民に差別されるが、幼なじみの拓(たく)だけが、由希を慕い、庇い続ける。

父の本妻の弟・倫人(みちと)は、『コスモ』の有能なデザイナー。由希の母が病気で他界した後、父に引き取られ、本妻と娘(異母妹)と同居することになり、ここで倫人は由希のデザイナーとしての才能を見出し、彼女を愛するようになる。

倫人と同僚の天才デザイナー・譲司(ジョージ)の父はアメリカ人。しかし譲司が生まれたことで母を捨て、アメリカに帰国する。母はそれが原因で譲司を忌み嫌い、やがて捨てる。親に愛情をかけられずに育った譲司は、倫人とは違った視点で由希のデザイナーの才能を育てようとする。

 

マンガの冒頭、由希の「愛しています」という言葉は、この三人のうち誰に伝えたのか?

最終的に彼女が愛した男性は、命がけで彼女を愛したのか?

 

三人の男たちの「愛」の表現が非常に興味深い。マンガの世界だからってそれほど現実からかけ離れてもいないし。中でも最初に紹介した幼なじみの拓は、非常にリアル。親近感さえ覚えるよ。

次回は、いよいよ三人の「命がけ、あるいは同等の自己犠牲の愛」について考察しよう。

このマンガだけでここまで引っ張るか?

なーんて言わず😭にお付き合いいただければ幸いです🙇‍♀️