今回から、2005年にブログ「ハーレーへの遠い道のり」で連載した、教習所日記を再編/抜粋して当時の記憶を綴りたい。
2005年6月2日。
私は新小岩自動車教習所で、大型自動二輪の教習手続きを行なった。
なんと、誕生日の前日だったんだね😊
自動二輪の教習は、23歳で中型免許を取ったので覚えてはいるが、体験記としてきちんと記録しておくためにもブログを活用したのである。
久々に読んでみると、初心に戻った気分。
同時に、恥ずかしくて泣きたいね😭
さて、教習第1日目は6月9日。
私は二輪集合場所に行き、初回用の赤いゼッケンをつけて待つ。
名前を呼ばれ、私はK指導員の元へ走った。
「原田さん、その服装だと本来ならば教習は受けられません。帰ってもらうことになりますね。でも初日ですし、せっかく来てるのに帰ってもらうのも何ですから、今日はそのままでいいでしょう。次回から気をつけてくださいね」
いきなり、出鼻を挫かれる🥲
一応、長袖なんだけど。
お気に入りのバンビのロンTなんですけど。
手首ちょっと出てるけど。
さらに、CB750を押して歩く指示だ…
CB750…。
250㎏くらいあるのか……。
押して歩くなんて…。
1メートルくらい押して私は絶句した。重い。
押しては止まって休憩、また押してを繰り返す。
ほんの20メートルくらい先に行くだけなのに、私はゼイゼイ息をした。
フラフラしている私を見かねてK指導員が呆れ顔で言う。
「原田さんだけにやってくださいって言ってるワケじゃないんですよ。皆さんにやってもらってることですから」
「……、でも、重いです」
「大型だからね、原田さんは免許取ったら何に乗りたいの?」
「ハーレー。スポーツスター883……」
「ハーレーはこれよりもっと重いよ。これ押せないんじゃ、ハーレーも押せないよ」
「……。」
「原田さん、引き起こしはできたんだよね?」
※引き起こしとは、倒れている状態のオートバイを起こすことである※
「え? やってませんけど。」
「やってない? 最初にやらなかったの?」
「はい。そんなこと言われてないし」
「おかしいな…、じゃ、ちょっとこっち来て。あれ、起こしてくれる?」
ゴロっと倒れているCB750…
「やってみて」
私は絶句した。
250ccのFusionもやっとのことで起こせる程度である。
CB750を起こせるわけがないのだ。
私は、力いっぱい持ち上げようとしたが、CB750はビクともしなかった。
3回挑戦して3回ともNG。
K指導員は起こし方の手本を見せた後、もう一回、と私に言った。
しかし、やっぱり、ビクともしなかった。
K指導員は首を捻る。
「どうして最初にやらなかったのかな……。ちょっと事務所に確認してきます。そこで待っててくださいね」
引き起こしは、自動二輪免許を取得する前段階の試験のようなものだ。
本来、これができなければ免許は取れない。
しかし不思議なことに、私はこの試験をスルーしていたのである。
おそらく私が女子オートバイ雑誌企画の一環としての教習だったからだろう。
手続きを省略したのかもしれない。
このときの私は、一人ポツンと残され、このまま不合格になるのか?
と不安でいっぱいだった。
私は、そこに立ちすくんだまま、CB750をじっと見つめていた……。
To be continued…..