1998年5月15日
BOSS 永眠。
13歳11ヵ月
BOSSは
死んだふりをしたまま
そのまま眠った。
U2のOneを聴きながら
眠ってしまった。
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One
Written by Larry Mullen Jr, Adam Clayton, The Edge & Bono
Is it getting better?
Or do you feel the same?
Will it make it easier on you now?
You got someone to blame
You say
One love
One life
When it's one need
In the night
One love
We get to share it
Leaves you baby if you
Don't care for it
Did I disappoint you?
Or leave a bad taste in your mouth?
You act like you never had love
And you want me to go without
Well it's
Too late
Tonight
To drag the past out into the light
We're one, but we're not the same
We get to
carry each other
carry each other
One
少しは良くなったかい?
それとも相変わらずかな?
誰かのせいにすれば
君の心は晴れるかい?
そうさ
一つの愛
一つの命
夜を越えるのに必要なのは
一つだけ
一つの愛を
俺達は分かち合う
大事にしないと
失われてしまう
ガッカリさせたかい?
それとも
後味悪い思いをさせた?
君は愛に恵まれなかったように振る舞い
俺にもそうであれと願う
今夜はもう遅過ぎる
過去を明るみの下に
引きずり出すには
俺達は一つ
だけど同じじゃない
お互い支え合わなくちゃダメなんだ
支え合って一つになる……
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私は、その後どのくらいBOSSを抱きしめていたのか記憶にない。
吉祥寺駅前まで自転車で行って花を買い、ドラッグストアで包帯を買ったことを、断片的に覚えているくらいで。
BOSSのピンクの両手両脚に包帯を巻いて、ボスを寝かせて。花を飾って。
半分ピンクの顔ももう、思い出せない。
そして、Hに電話をして。
でも彼がいつ来たのか覚えていない。
BOSSの前に座り込み、
大声で泣いているHの姿。
肩を震わせて、大声で泣いて。
男の人があんな風に泣くのを初めて見たから。
言葉も出ないほど、
Hが悲しかった。
愛していたんだ。
みんなBOSSを愛していたんだ。
そして、お嬢DONも。
DONは、BOSSがぴくりとも動かなくなってから、覆い被さるように寄り添った。
まるで抱きつくように、BOSSの背中に頬を乗せて。
誰にも渡さない、とでも言うように、しがみついてた。
その夜、HとDONと私は、BOSSを囲んで寝た。
BOSSと一緒に過ごす、
最後の夜だった。
翌日。
BOSSを深大寺の動物霊園へ連れて行く日。
「ドンちゃん、お兄ちゃんとお別れだよ。ツンちゃん(長男)のところに連れて行くから」
BOSSに覆い被さるDONを抱っこして移動させると、DONはサッと身を翻して、部屋の一番奥のパソコンデスクの下に潜り込んだ。そこからジッとこちらを見ている。
微動だにせず、私とHがBOSSを箱の中に移動させたり、花でBOSSの体を飾ったりしているところを見ている。
何かを訴えるように、ジッと見ている。
「ドンちゃん、お兄ちゃん連れて行くからね。ごめんね」
薄暗いパソコンデスクの下で、微動だにせず、ジッと見つめるDON。
さよならは、言わない。
さよならは、言わない。
お兄ちゃんは、寝てるだけだから。
私たちに抗議するような鋭い視線が、悲し過ぎた。
私とHは、BOSSを寝かせた箱を抱え、動物霊園へと向かった…。
To be continued……