I LOVE MY LIFE −猫とROCKと愛の日々−

2022年11月から1年に渡って還暦ブログをほぼ毎日更新、2023年11月からは海外ドラマ「Kommissar REX」そして、REXドラマの🇨🇦版/🇮🇹版のレビュー記事。それ以前は海外ドラマ「Kommissar Rex」全編のレビュー記事です。

Crime of love ケニア編②

 

 

私の原点・30年目のケニア
第1回 チーター兄弟の決断。


ケニアは私の原点だ。 あれから30年の時を経てなお、鮮やかに蘇る。

前回ここで、Facebookで連載した『私の原点・20年目のケニア』を再掲すると書いたが、第1回はチーターの写真にキャプションを付けただけで詳細は書いてなかった。改めてこの時の感動を綴りたい。

 

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ナイロビに着いて1泊して、翌日、サンブール国立保護区とバッファロースプリングスへ移動。

私とHにとっては初めてのケニア、しかしパッケージツアーではなく、旅行会社の担当の方と相談した独自のコースでもある。

今になって思えば、素晴らしいツアーだった。
サファリツアーのガイドは、Mr.Mishack。よく笑う大らかな人だ。

Hは英語が堪能だったので、Mr.Mishackと冗談を言い合うまで仲良くなっていた。

私はてんで英語がダメだったから、会話に入れず悔しかったな。

だからその後、ずいぶん勉強したけど、今だになーんちゃって英会話だ🤣🤣🤣

 

この旅で一番印象に残ったのは、ダントツでチーター。

チーターと言えば、誰もが知るポピュラーな動物。

野生動物番組には必ず登場する。

私も20代の頃からNHKの自然番組で散々見てきた。 当時、岩合光昭氏がナビゲーターのサバンナの番組があり、私はそれで岩合氏の大ファンになりアフリカ・サバンナに行きたいと思ったのである。
 
さて、チーター。

コイツは、テレビや動物園で見ちゃいけない。
サバンナで見てこそ。
 
美しい!
 
この一言に尽きる。
この地球上にこんな美しい動物を創造した神様に感謝したい。 あまりの美しさに溜息が出るのだ。
 
私が撮影した、このチーターたち。

実は、Mr.Mishackが日頃ウォッチしているチーター兄弟だった。

Mr.Mishackは、他のガイドと連絡をとりながら、チーター兄弟を追う。

ガイドという仕事、観光客に満足してもらえる野生の瞬間を見せることだ。


そしてこの日、チーター兄弟たちの情報が入る!
Mr.Mishackはサファリカーを全速で走らせた。
私たちはどんなドラマが展開するのかと、期待が高まる。
前方を走るチーター兄弟たちを捉えたMr.Mishack。

車をゆっくり減速した。

 

 

チーター兄弟は流れる川を気にしながら、ゆっくり前進して川岸で止まった。
 
 
 
私たちは近過ぎないように停車して、チーター兄弟を観察することにした。
Mr.Mishackの解説では、チーター兄弟たちは、川を渡って向こう岸に行こうとしている、しかし川には天敵のワニがいるため注意深く偵察をしている、というのである。
 
まだ若い兄弟たち。

ワニの攻撃を交わすスピードで泳ぎ切ることができるか?

この難問を解決するためには、観察するしかない。

兄弟たちは川岸で耳を澄まし、川面を凝視し観察を続ける。


 
なんという長い時間。


彼らの緊張感。


兄弟たちは協議を重ねる。


川向こうを見つめる兄弟たち。


風がサワサワと樹々を揺らした。


 
 1頭のチーターが、ふっと立ち上がった。
 


おっ? 行くか?


 
しかし、くるりと川を背にして歩き出した。


 
「Oh no…no no no…..」Mr.Mishackは、ため息混じりに呟く。
他の兄弟たちも先頭のチーターに続いた。


 
チーター兄弟、川を断念!

 


 
 ここを渡れば、遠回りせずに獲物のいる向こう側に行けるのに断念!

私は、野生の底力を見た気がした。


納得するまで何時間でもかける。

そこに妥協はないのだ。

妥協した瞬間に命はない。

生きるか死ぬか。

それだけだ。


 
チーター兄弟。

あの若い兄弟たちの決断の瞬間を見た私は、何を感じたか?
 

そう、

命の重さを皮膚で感じた。

生きることへの執着。


 
私たち人間は、一体何に執着している?

命より大切なものが、どこに存在している?

 


 
サバンナは、
野生の横顔を垣間見せ、私たち人間を嘲笑っているのかもしれない…。


 
To be continued…