U2の「40」という曲。
詩篇 40:1,2,3
ダビデによる賛歌
私は切に 主を待ち望んだ。
主は私に耳を傾け
助けを求める叫びを聞いてくださった。
滅びの穴から 泥沼から
主は私を引き上げてくださった。
私の足を巌に立たせ
私の歩みを確かにされた。
主はこの口に授けてくださった。
新しい歌を 私たちの神への賛美を。
多くの者は見て恐れ 主に信頼するだろう。
この曲は、私にとって思い出深い曲であり、この穏やかな曲調がTSUNを思い起こさせる。
短命だったTSUNが、私に何を伝えたかったのか…。
さて、目黒のワンルームマンションでの2匹+ひとりの生活は、怒涛の毎日だった。
おっとりして優しい長男TSUN、元気いっぱい活発で可愛い次男BOSS。
なんだか、ちょっと人間の子どもの兄と弟みたいで。
でも、それは単なる私の幻想だったのか。
TSUN にしてみれば、目障りな生意気な猫、BOSSにしてみればケンカ相手としか思っていなかったようで、毎日追っかけっこ、取っ組み合い。
雄2匹が狭いワンルームでテリトリー争いをすることを、私は全く知らなかったのだ。
本当に、私、知らないことだらけだった。
今みたいに猫の飼い方なんて本もなかったし、とにかく可愛い、それだけだった。
愚かだった。
2匹の日課。
TSUNはBOSSに部屋のコーナーに追い詰められ、思いっきりパンチされる。
耳ペタになって威嚇するTSUN。
しかし、勝負は明らかだ。
TSUNのプライドは、どんどん傷つけられていく。
TSUNはますます気弱になり、ますますストレスを抱えるようになっていく。
ある日。
TSUNが、外に出かけていった。
決死の覚悟で外出して、ケンカをしてきたのである。
今思い出しても、切なくて切なくて涙が出る。
BOSSの天才的なケンカ殺法に影響されたのか、それともお兄ちゃんとしての威厳を示したかったのか。
遠くで、「ぎゃー!」という悲痛な猫のケンカの声が聴こてきた。
TSUNちゃん!
私はベランダに走り出た。
暗がりから、TSUNが尻尾をだらりと下げて、がっくりして帰ってきた!
あ〜、TSUNちゃん!
抱き抱えると、尻尾の付け根から血が出ている!
けが!
私は動揺した。
動物病院…でも、こんな時間、どこに、誰に、どうしたら。
とにかく朝になるまで待つしかない。
私は必死に、電話帳で動物病院を探した…
To be continued….